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スパイ証拠ねつ造の国家情報院職員・協力者全員に有罪

登録:2014-10-28 21:18 修正:2014-10-29 06:22
4人に実刑・2人は執行猶予を宣告
対共捜査処長は法廷拘束を免れる
国家情報院の要請を受けてユ・ウソン スパイ事件と関連した偽造証拠を作ったキム・ウォンハ氏が3月12日夜、ソウル瑞草洞のソウル高等検察庁で調査を終えソウル拘置所に移送されている。 キム氏が言論に姿を見せたのはこの時が最後だ。パク・ジョンシク記者//ハンギョレ新聞社

 いわゆる“ソウル市公務員スパイ事件”で起訴された北朝鮮脱出者ユ・ウソン氏に関連する証拠をねつ造し裁判所に提出した容疑で起訴された国家情報院職員と協力者など全員に有罪が宣告された。 起訴された国家情報院職員のうち最も上級者であるイ・ジェユン対共捜査処長(54)は実刑を宣告されたが法廷拘束は免れた。

 ソウル中央地裁刑事26部(裁判長 キム・ウス)は28日、法廷に提出する証拠をねつ造した容疑(謀害証拠偽造など)で拘束起訴されたキム・ポヒョン国家情報院対共捜査局課長(48)に懲役2年6月を宣告した。 ユ・ウソン氏(34)の北朝鮮と中国の出入境記録とこれに対する中国官庁の発行事実確認書などを偽造し、国家情報院に提供した中国同胞協力者キム・ウォンハ氏(62)とキム・ミョンソク氏(60)にもそれぞれ懲役1年2月と懲役8月の実刑を宣告した。

 裁判所は不拘束裁判を受けたイ・ジェユン対共捜査処長にも懲役1年6月の実刑を宣告した。 しかし「犯罪事実に対して激しく争っており、今後の防御権を保障する必要があり、裁判出席態度や身分などに照らして逃亡する懸念がない」として、法廷拘束はしなかった。

 クォン・セヨン対共捜査局課長(51)と、同じく国家情報院所属のイ・インチョル中国瀋陽総領事館領事(48)には、それぞれ懲役1年6月と懲役1年に執行猶予2年ずつが宣告された。

 裁判所は国家情報院職員が「対共捜査担当者として、一層厳格な遵法意識で捜査と証拠収集を行わなければならない責務があるにもかかわらず、証拠ねつ造で刑事司法機能を深刻に妨害し、国家情報院に重大な権限と責任を付与した国民の期待と信頼を裏切った」と明らかにした。

 キム課長らは、自分たちが拘束させたユ氏が昨年8月に1審で無罪宣告を受け、控訴審では有罪にさせようとして中国同胞協力者らに金銭を与えて出入境記録などを偽造し、検察を通じて裁判所に提出した容疑で起訴された。

 証拠ねつ造の被害者であるユ氏の弁護をしたキム・ヨンミン弁護士は「ユ氏捜査チームは、証拠をねつ造した犯罪組織であり、イ処長はその総指揮者だった。それでも刑量は部下の職員より軽く、防御権の保障を理由に法廷拘束までしないというのは非常に異例な結果」と話した。

キム・ソンシク記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/661873.html 韓国語原文入力:2014/10/28 20:35
訳J.S(1126字)

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