ソウル市公務員スパイ事件で起訴された脱北華僑のユ・ウソン氏(35)の事件で、証拠を偽造して裁判所に提出した国家情報院対共捜査チーム課長ら主犯に対し、控訴審裁判所が1審より重い刑を宣告した。
ソウル高裁刑事5部(裁判長キム・サンジュン)は20日、裁判所提出証拠を偽造した容疑(謀害証拠偽造)等で起訴されたキム・ポヒョン国家情報院対共捜査局課長(49)に、懲役2年6カ月を宣告した原審を破棄し懲役4年を宣告した。 国家情報院の協力者として証拠偽造に加担した中国同胞のキム・ウォンハ氏(63)、キム・ミョンソク氏(61)にも、それぞれ懲役1年2カ月と懲役8カ月の実刑を宣告した原審を破棄し懲役2年と懲役1年6カ月をそれぞれ宣告した。
裁判所は「キム課長は証拠偽造の過程で主要な役割を果し、協力者らに虚偽の陳述を勧めるなど犯行後の情況も悪質だ」として「国家の刑事司法機能が深刻に妨害された点を考慮して原審より刑を引き上げる」と明らかにした。 協力者らに対しても裁判所は「キム課長の指示で関与しはしたが、証拠偽造を直接実行した者として罪責が重い」とした。
反面、被告人のうち最上級者で1審で懲役1年6カ月を宣告されたイ・ジェユン対共捜査処長(55)は、他の国家情報院職員と共に組織的に証拠偽造に加担したとは判断できないとし、罰金1000万ウォン(約110万円)に刑量を引き下げた。 クォン・セヨン対共捜査局課長(52)、国家情報院所属のイ・インチョル中国瀋陽総領事館領事(50)には、懲役刑の執行猶予を宣告した原審を破棄し、それぞれ罰金700万ウォンの宣告を猶予した。
キム課長らは自分たちが拘束したユ氏が2013年8月の1審で無罪を宣告されると控訴審で有罪を受けさせるために中国同胞に金銭を与えて中国の公文書である北朝鮮出入境記録を偽造するなど、文書7件を偽造した容疑で起訴された。