中東呼吸器症候群(MERS)コロナウィルスの感染者が7日現在で17人発生し、これらの患者から感染した疑いがある患者と職員が2000人に達するなど、平沢(ピョンテク)聖母病院に次ぎ、サムスンソウル病院が第2の“MERS震源地”になっている。 また、サムスンソウル病院を通じて感染した患者が、釜山、京畿道城南(ソンナム)や富川(プチョン)などから出ると、MERS感染が地域社会に拡大しているのではないかという憂慮も出ている。 クォン・ジュンウク保健福祉部中央MERS管理対策本部企画総括班長も「平沢聖母病院が1次流行の波とすれば、サムスンソウル病院が2次流行の震源地といえる」と話した。
サムスンソウル病院はこの日、ブリーフィングを開き、病院で発生したMERS3次感染者は17人で、すべて先月27~29日に応急室で14番目の患者に露出した医療スタッフ(3人)と患者(7人)、保護者(7人)と明らかにした。 17人の感染者に露出した患者と職員は2000人に達しており、追加で確定診断患者が増える可能性が高い。 サムスンソウル病院ソン・ジェフン院長は、「露出者を隔離して徹底的に管理している。 これら3次感染者と接触した方々も集中的に把握し、適切な隔離措置をとっており4次感染が確認された事例はない」と話した。 現在、サムスンソウル病院に入院中の患者7人の場合、6人は単純発熱と軽い呼吸器症状があるだけだが、1人は肺炎を併発した状態だ。
このように韓国最高の病院の一つであるサムスンソウル病院でMERS患者が大量に出てきた原因としては、政府と病院の感染管理が粗末だったことが挙げられる。
サムスンソウル病院は先月20日、最初のMERS確定診断患者を経験しながらも、14番目の患者にきちんと対処できず、先月27~29日の3日間応急室に放置して感染者を増やした。 14番目の患者は1番目の患者と同じように平沢聖母病院で治療を受けたが、サムスンソウル病院はそこまで確認できなかった。遅れてこの事実を知った時には、すでに応急室にウイルスが広がった状態だった。 サムスンソウル病院関係者は「平沢グッドモーニング病院を経て自分たちの病院に来たせいで、平沢聖母病院を確認できなかった。 残念だった」と話した。
14番目の感染者と接触した露出者の把握にも弱点があることがわかった。 サムスンソウル病院は先月30日、14番目の患者に対する感染確定診断の後、義務記録と閉回路テレビジョン(CCTV)等を多角的に分析し接触者を隔離措置したと明らかにした。 だが、この病院の医師である35番目の患者は、隔離措置の対象から抜け落ちていた。 35番目の医師患者は、14番目の患者と先月27日に応急室で40分程一緒にいたが病院は何の措置も取らなかった。 先月31日午後、35番目の患者が自ら病院にMERSが疑われると通知して確定診断判定を受けた。 35番目の医師患者の場合、保健福祉部が確定診断名簿から漏れており、隠蔽論議が広がりもした。 サムスンソウル病院関係者は「14番目の患者を直接診療したわけでもなく、遠く離れていたし、時間も短かったために直ちに措置を取らなかったようだ」と話した。
政府が最初のボタンを掛け違えたことも問題だ。 サムスンソウル病院で政府がMERSの最初の患者を確定診断するだけに一日半を浪費した。 病院側が先月18日、MERSが疑われると保健当局に報告したが、患者が行ってきたバーレーンがMERSの発生国ではないという理由で無視され、20日午前に確定診断判定を受けた。 1番目の患者を通した感染者はまだ出ていないが、露出者はサムスンソウル病院だけで478人に達する。