韓国の保健福祉部は6日、韓国で流行している中東呼吸器症候群(MERS)コロナウイルスに変異は見られないと発表した。MERSウイルスが国内で“空気感染”するほど伝染力が強くなったとる疑いが事実でないということだ。にもかかわらず18日間で64人の患者が発生するほどMERSが急速かつ大規模に拡散した原因は何なのか。
保健福祉部疾病管理本部傘下の国立保健研究院のイ・ジュシル院長は「国内に流入されたMERSウイルスの遺伝子の塩基配列は、サウジアラビアなど中東地域で流行したウイルスの塩基配列とほぼ一致することが分かった」とし、「特別な変種や変異は発見されなかった」と明らかに下。国立保健研究院は、国内で2番目のMERS確定患者(63、最初の患者の奥さん)の痰(喀痰)を採取してウイルスを分離・培養した後、遺伝子の塩基配列を分析した。この情報を国内のウイルス学会、米国疾病管理予防センター(CDC)、オランダ医科学研究センター(エラスムウィス研究所)など共有し、国内流入MERSウイルスの特性と比較した。イ院長は、「比較分析の結果、2番目の患者のMERSウイルスの遺伝子は、サウジアラビアで2013年に流行したウイルスの遺伝子と99.82%一致した」とし「これは韓国で拡散するMERSウイルスは、特別な変種ではなく、現在中東地域で流行しているMERSウイルスと同じであることを意味する」と述べた。
遺伝子分析対象が、この日退院するほど症状が比較的に軽かった2番目の患者のウイルスなので、14番目や16番目の患者のように“スーパー伝染力”を持ったウイルスとは異なるのではないかという疑問に対し、福祉部は「ウイルス自体は同じところから出てきたと思われる。 1千人を超える患者が発生したサウジアラビアでも変種は発見されなかった」と答えた。
ウイルスが変異していないことが明らかになったことで、MERSの大規模な拡散の原因について、様々な分析が提示されている。まず、ウイルスは、温度や湿度が高くなると、生存力が大きく低下する。しかし、韓国の5〜6月の気候が、ウイルスの繁殖に最もいい環境となった可能性がある。また、最初の患者と14番目、16番目の患者たちから多くの2次、3次感染者が発生したのは、これらの患者が病院に入院した当時がMERSの症状が現われてから5〜7日頃なので、ウイルス活動が最も旺盛な時期と重なったためとする分析もある。 最初の患者が18〜20日、サムスン・ソウル病院に入院したにもかかわらず、このとき接触した約400人からは感染者が一人も出てこないことも、すでに感染力が低下した時期だったからとだいうことだ。
福祉部は、平沢(ピョンテク)聖母病院で37人の患者が大規模に発生したことについて、「ウイルスが宿主として好む高齢者、免疫低下患者、糖尿病など持病を持つ患者が多かったから」と解釈した。相部屋が多く、患者を家族が直接介護に関わっており、病室の訪問が比較的自由に行われる韓国特有の医療環境にも、大規模なMERS拡散をもたらした要因という分析もある。
韓国語原文入力: 2015-06-07 20:13