韓国と米国が在韓米軍の生物戦対応プロジェクトである、いわゆる「ジュピター(JUPITR、連合在韓米軍のポータルおよび統合脅威認識)プログラム」の一環として、2013年、両国が生物兵器に関連する情報共有協約を締結したことが明らかになった。しかし、炭疽菌のような危険物質の搬入と実験については、事前通知はもちろん事後通知も行われていなかったことが最近明るみに出たことで、米国がうわべだけの両国間協力の裏側で一方的に生物戦対応プログラムを推進してきたのではないかと指摘される。
国防部関係者は4日、「韓米国防部は、2013年10月、『韓米共同生物兵器監視ポータル構築協約』を締結し、今年末まで構築を完了する計画だ」と述べた。生物兵器監視ポータルは炭疽菌、ボツリヌス、痘痕、ペスト、野兎病など10種類以上の脅威的な生物剤の使用状況を監視し対応するための韓米協調システムだと、この関係者は説明した。このような監視ポータル構築条約は、在韓米軍が北朝鮮による生物戦の試みに対応するために用意した「ジュピタープログラム」の一環として進められたと、米陸軍「エッジウッド化学生物学センター」の生物科学部門の責任者であるピーター・イマニュエル博士が明らかにした。
しかし、生物兵器関連情報を共有するように協約を締結した後も、米国は、同じジュピタープログラムの一部である炭疽菌ボツリヌスなどの生物兵器用の毒素サンプルの分析実験と関連した情報を、韓国に全く提供しなかったことが分かった。国防部の関係者は、「まだ、ポータルが完成してないので、韓米間で情報を共有できない状況」だとしながらも「仮にポータルが完成されても、共有情報には限界があると思う」と話した。もしポータルが構築されたとしても、炭疽菌などの搬入や実験の訓練などの機密情報までは共有できなかっただろうということだ。
在韓米軍は、「ジュピタープログラム」で炭疽菌だけでなく、ボツリヌスも実験する計画を立てたというハンギョレの報道について、まだ口を閉ざしている。在韓米軍側は「炭疽菌関連調査が進行中なので調査が終わるまでは言及しないというのが(在韓米軍側の)立場だ」と述べた。
参与連帯平和軍縮センターは「米国が韓国の生物兵器と病気の関連情報は、一緒に共有しようとしておいて、同じプログラムで推進する病原体・猛毒の実験計画は教えないのは、韓国を真のパートナーとして認めているとは思えない」と指摘した。
韓国語原文入力:2015-06-04 19:29