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米軍、生物兵器物質持ち込みで回答避ける

登録:2015-06-04 09:11 修正:2015-06-04 09:42
国防部「具体的な情報を伝えらていない」
2014年3月に米陸軍HPの「エッジウッド化学生物学センター」(ECBC)で紹介されたジュピタープログラムは、実は生物学戦探知装置だった=米陸軍HPから//ハンギョレ新聞社

 米軍は、炭疽菌誤送付事件が起きるとアシュトン・カーター国防長官が先週末、直接謝罪の意向を明らかにし、責任者の措置、再発防止対策の準備などを約束した。この事件が、2002年に訓練中の在韓米軍装甲車による2人の女子中学生の轢死事件の時のような、韓国内の反米感情の導火線になることを憂慮した積極的な対応だった。

 しかし米陸軍エッジウッド化学生物学センター(ECBC)のピーター・イマニュエル生物科学部門責任者の資料を見ると、米軍の態度がどこまで信頼できるのか疑問が提起される。在韓米軍は先月29日、今回の炭疽菌事故と関連して「最初に実施された」と明らかにした。しかしイマニュエル博士の資料では、米軍の「在韓米軍統合脅威認識」(ジュピター)プログラムは2013年からすでに稼動していた可能性を示唆している。さらに在韓米軍の生物学戦対応実験に炭疽菌より最大10万倍も危険な毒素物質のボツリヌスまで使われた可能性が提起されている。

 韓米は今回の事件が起こるとすぐ「韓米駐屯軍地位協定」(SOFA)にともなう分科委員会チャンネルを稼動し、再発防止対策などを議論していると伝わる。政府当局者は「米国でも事態の深刻さを熟知している」と指摘し、「米国もSOFA合同委員会傘下の病気予防統制分科委を通じ、議論に乗り出しており、7月に合同委を開き改善策を用意することになるだろう」と述べた。政府は「在韓米軍に送付された軍事貨物の税関検査を免除する」と規定したSOFA9条(通関と関税)に関連し、これら貨物に対する情報共有と、必要な場合には共同調査ができるよう制度補完を要求する方針だという。

 しかし、在韓米軍は今も、炭疽菌やボツリヌスの生物学戦物質の保有実態およびこれと関連した軍事訓練状況など、敏感な内容については韓国政府に情報提供を渋っていることが分かった。在韓米軍が韓国政府の情報共有要求にどれほど誠実に応じるか疑問と言わざるを得ない。

 国防部当局者は「カーター長官が今回の事故に対する調査結果を韓国と共有すると発言しているので、米国の調査結果を待っている」と説明するが、「今回の事故が発生した合同脅威認識研究所がいつからどう運営され、どんな菌がどれほど実験されたのかなどは、まだ米軍から具体的情報を提供されていないと承知している」と語った。

パク・ビョンス先任記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr )

韓国語原文入力:2015-06-04 08:41

https://www.hani.co.kr/arti/politics/defense/694228.html 訳Y.B

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