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在韓米軍、炭疽菌より猛毒の「ボツリヌス」も実験した疑い

登録:2015-06-04 02:09 修正:2015-06-04 06:33
 細菌戦対応「ジュピタープログラム」
 2013年から龍山など3カ所で進める
 「炭疽菌が初めて」は嘘の可能性
京畿道・平沢にある在韓米軍烏山空軍基地 //ハンギョレ新聞社

 在韓米軍が生物兵器への対応の一環として、生きている炭疽菌だけでなく、地球上で最も強力な毒素とされるボツリヌスも韓国に事前通知なく持ち込んで実験したとする疑惑が持ち上がっている。先月27日、「韓国で初めて炭疽菌の実験を行った」という在韓米軍の釈明に対する不信も一層増幅されている。

 ハンギョレが3日、米国の防衛産業の業界団体ホームページと米国の軍事メディアなどを通じて確認したところによると、在韓米軍は、2013年6月から、北朝鮮による生物兵器攻撃に対する防御を目的とし、ソウル・龍山(ヨンサン)や京畿道・烏山(オサン)など国内3カ所の米軍基地内の研究室で生物戦への対応実験を行う「ジュピター(JUPITR、連合在韓米軍のポータルと統合脅威認識)プログラム」を進めてきたことが明らかになった。先月27日に問題になった烏山空軍基地内の炭疽菌のサンプルの実験も、このジュピタープログラムの一環であった。

 2013年3月19日、米防衛産業協会が主催した「生物化学防御計画フォーラム」に参加した米陸軍「エッジウッド化学生物学センター」の生物科学部門の責任者であるピーター・イマニュエル博士は、発表資料で「ジュピタープログラムと在韓米軍が韓国で北朝鮮の生物兵器攻撃を防御するために、2013年6月から着手する軍事プロジェクト」とし、このプログラムの毒素分析1段階の実験対象は、「炭疽菌とボツリヌスA型毒素」だと説明した。イマニュエル博士は、米軍の生化学防御合同参謀局が進める「ジュピター」プログラムを率いている。彼はボツリヌスと炭疽菌の実験を主導する研究所として、龍山の65医務連隊と烏山の51医務連隊、位置を具体的に明示していない(忠清南道)米陸軍公衆衛生局傘下の環境研究所など3カ所を挙げた。

 以来、在韓米軍は、ジュピタープログラムに基づいて烏山基地に炭疽菌のサンプル分析装置などを設置し、先月27日、炭疽菌のサンプル実験を実施した。これにより、同じジュピタープログラムの実験対象ボツリヌス毒素のサンプルはまた、炭疽菌と同様に、韓国に事前通知なしで搬入され、実験が行われたではないかという疑惑が提起される。ボツリヌスは炭疽菌に比べて最大10万倍ほど毒性が強い。在韓米軍側はハンギョレの問い合わせに「答えるべき情報を持ち合わせていない」と回答を避けた。

キム・ジフン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )

韓国語原文入力: 2015-06-04 01:13

https://www.hani.co.kr/arti/politics/defense/694226.html  訳H.J

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