在韓米軍は、烏山(オサン)空軍基地への「炭疽菌配達事故」当時に進めていた炭疽菌の実験が「初めて行われたもの」だと釈明し、鎮火に出た。しかし、在韓米軍が17年以上も前に炭疽菌の実験施設を作ったとの指摘が出るなど、米軍がこの事件を縮小し隠蔽しようとするものではないかという疑惑が提起されている。
保健福祉部疾病管理本部は29日、事故調査の結果を発表し、問題の炭疽菌標本は4週間前に烏山空軍基地に搬入されたと発表した。在韓米軍統合脅威認識プログラム(ITRP)の一環として、新たに取り寄せたポリメラーゼ連鎖反応(PCR=遺伝子試料の量の増加に使用)遺伝子分析装置を来月5日、関係機関を招待して試演するイベントで使用するためだったというのだ。民間配送業者であるフェデックスを通じて持ち込まれた炭疽菌の標本は、胞子の形態の液体1ミリリットルであり、冷凍されて3重に包装された状態だった。炭疽菌の標本は、実験室、冷凍庫に保管されていたが、21日ポリメラーゼ連鎖反応装置に入れるための事前処理のために解凍された。
また、在韓米軍は27日、米国防総省からの標本が生きている可能性があるという通知を受けてから、緊急対応チームを投入して標本を漂白剤に入れて廃棄した。実験室内のすべての表面を拭き取る方法で除毒し、24時間後に空気中で炭疽菌は発見されなかった。在韓米軍は29日に発表した報道資料を通じて「今回の生化学防御実験の訓練は初めて行われたもので、追加の調査が完了するまで中断する」と明らかにした。
しかし、在韓米軍が炭疽菌実験施設を運営してきことは、すでに17年前からで、ここ1年間は生きている炭疽菌標本が韓国の烏山基地に配送されてきたと伝えられえた。この事故とは別の方法であるが、炭疽菌に関連する実験が継続的に行われてきたことを物語る。 29日の軍事専門家の意見を総合すると、米国は1998年9月、世界の米軍基地の中で初めて韓国の烏山基地に炭疽菌実験施設を作り、ワクチンを大量供給したと伝えられた。また、米国のABC放送はこの日、米国防総省の官僚の言葉を引用して、「(今回生きている炭疽菌標本を誤って作った)ユタ州のダグウェイ生化学兵器試験所は去年3月以降、12カ月間に亘り生きている炭疽菌標本を在韓米軍基地の1カ所と米国9州18民間・大学の研究室に提供した」と報じた。韓国国防部の関係者も「いつからだったかは正確に分からないが、米軍が非活性化された炭疽菌を持ちこんで訓練を行っていることは、私たちも知っていた」と述べた。今回の事故以前にも、米軍が炭疽菌を用いた実験訓練を行ってきたということだ。
また、ABC放送は炭疽菌が生きているという事実は、22日、メリーランド州の民間企業が発見し、米国疾病管理予防センター(CDC)に報告したことで知られたと報じた。市民団体などは、米国防総省が危険物質であることを認識しながら、すぐに在韓米軍と韓国に通知することなく、5日も放置した経緯が明らかにされなければならないと促した。
韓国語原文入力:2015-05-29 19:50