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南北「開城工業団地の賃金問題」3カ月ぶりに妥結

登録:2015-05-22 23:04 修正:2015-05-23 06:24
 「既存の基準に基づいて支給するものの
 別途合意した後は遡及適用」
 韓国側の要求、北朝鮮側が電撃的に受け入れ
開城工業団地で作業している北朝鮮労働者たち //ハンギョレ新聞社

 開城工業団地の賃金引上げをめぐる南北の対立に解決の糸口が見えてきた。

 統一部は22日発表した資料で、「南側の開城工業団地管理委員会と北側の中央特区開発指導総局の集中的な協議の末、南北が開城工業団地の賃金問題と関連した確認書の文言に最終合意した」と明らかにした。確認書の内容は、「開城工業団地で働く北朝鮮労働者の賃金は、既存の基準に基づいて支給するが、3月1日から発生した賃金の支払い差額と延滞料の問題は、今後の協議の結果に基づいて遡及適用することにしたもの」だと統一部が明らかにした。統一部は、「確認書の『既存の基準』とは北朝鮮が一方的に労働規定を改正する前の基準のことで、『最低賃金は70.35ドルであり、社会保険料の算定に加給金(時間外手当)は含まれない』という意味」だとし「この点は、北朝鮮側も協議の過程で明白に確認した」と説明した。

 これにより、2月末、北朝鮮の一方的な賃金引上げに対し、南側当局が「受け入れられない」と対抗したことで始まった南北対立が、3カ月ぶりに解消されることになった。当時北朝鮮側は開城工業団地の北朝鮮労働者の最低賃金引き上げ率を一年で5%以内にする内容の開城工業団地労働規定を一方的に改正し、今年3月から1カ月の最低賃金を74ドルに5.18%引き上げ、社会保険料算定に時間外手当も含まれることを韓国側に通知してきた。これに対し、韓国当局は、開城工業団地入居企業に「北朝鮮の一方的な引き上げを拒否すること」を求め、北朝鮮と対立してきた。

 統一部は「今回の確認書は、南北間の別途の合意があるまでは既存の基準に基づいて賃金を支給する、という韓国政府の立場を北朝鮮側が受け入れたもの」だとし「企業は労働規定の改正前の基準に基づいて賃金を支払えるようになり、賃金未払いによる北の延長勤務拒否や怠業の脅威などが生産に支障をきたす懸念なども解消される見込みだ」と発表した。

 開城工団入居企業らはこの日の合意書の妥結を歓迎した。チョン・ギソプ開城工業団地企業協会会長は「開城工業団地の企業の正常な生産活動は今日まで滞りなく行われた」とし、「今後も、通常の生産活動は続くだろう」と述べた。

パク・ビョンス先任記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr )

韓国語原文入力:2015-05-22 20:48

https://www.hani.co.kr/arti/politics/defense/692527.html  訳H.J

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