開城工業団地の賃上げと関連し、交渉には消極的な南北当局が工業団地入居企業に対する圧迫を強めており、企業の悩みが深まっている。
12日、統一部と開城工業団地入居企業関係者の話を総合すると、北朝鮮の中央特区開発指導総局(総局)が4月分の賃金の支払いに関連して新たな要求をしており、一部の事業所では怠業が起こったことが確認された。
ある入居企業の代表は、「数日前、北朝鮮側が4月分の賃金を受け取る際には、3月の総額賃上げ方式を受け入れないと伝えてきた」とし「基本給はそのままにして、引き上げ分の差額を賞与などの形で受け取る方式を拒否した」と伝えた。この代表は「北朝鮮側は自分たちが提示した引上げ率に応じて会社が賃金の支払い書類を作成した後、開城工団駐在員の代表が署名して送ることを要求した」と付け加えた。 3月分の賃金では総額基準で賃金を引き上げてもらって実利を取った北朝鮮側が4月分の賃金ではこれを既成事実化しようとする戦略と見られる。別の入居企業の関係者は、「開城工業団地内の食品メーカーHで怠業が起きており、他の事業所に広がるのではないかと戦々恐々している」と述べた。
北朝鮮に後れを取るまいと、統一部も特別資金融資の返済などを取り上げて、企業を圧迫している。ある入居企業代表は「統一部が賃金台帳と賃金の支払い確認書の提出を求める公文書を送って来た」とし「『統一部に報告していないか、あるいは誤って報告した場合、南北交流協力法に基づいて措置する』と言われており、どうしたらいいのか分からない」と心配した。統一部はまた、各企業が北朝鮮の総局に賃金をそのまま渡す代わりに、韓国側の開城工業地区管理委員会に賃金を委託・保管し、北朝鮮側がそれを引き出す支払い方法に変更することを求める公文書を、企業に伝えた。これに違反すると輸出入銀行の融資の返済を猶予しないと通知した。これにより、輸出入銀行は、入居企業に「賃上げ関連する政府の方針に違反し、毎月20日まで賃金台帳の写しと、開城工業地区管理委員会に北朝鮮側の労働者の賃金を委託・保管したことを証明する書類を提出しない会社には、返済を猶予しない」と、関連確約書の提出を要求した。
この日、開城工業団地企業協会は緊急理事会を開き、4月分の賃金は、北朝鮮側が引き上げを要求する前に、南北が合意した水準通り北朝鮮側に支給するが、北朝鮮側が拒否した場合、18日、開城工業団地企業協会の総会を開いて対策を議論することにした。理事会に参加したある関係者は、「企業が政府の方針に従って管理上の賃金を委託した場合、北朝鮮側が本格的に怠業に出たら、企業は甚大な被害を受ける」とし「賃金を委託するかどうかは、状況を見ながら決める予定だ」と述べた。
韓国語原文入力:2015-05-12 20:28