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[記者手帳]韓国国防部が北朝鮮国防費水増し

登録:2015-04-15 07:40 修正:2015-04-15 07:51
南北軍事格差は34倍でなく3倍?

 国防部当局者が14日午後3時頃突然、南北の軍事費規模関連説明資料を持参して記者室を訪ねた。この日午前、ハン・ミング国防部長官が国会で北朝鮮の年間軍事費支出が「100億ドルを上回ると把握している」と答弁したことに対する補充説明だという。

 ところが国防部が提供した資料は南北軍事費をそれぞれ異なる基準で評価・比較したため、問題になった。資料は「北朝鮮が9日公表した軍事費を数値化したら11億5000万ドルと推算されるが、これは経常維持費だけを含んだものと推定される」とした上で、「ここに隠匿・脱落軍事費などを含めば実際の北朝鮮の軍事費は購買力(PPP)為替レートで102億ドル水準」になると明らかにしていた。さらに「2014年の韓国の国防予算は約325億ドル」であり「南北の実際の軍事比は約3:1程度水準と評価される」というのだ。

 国防部がこうした資料を出すのは「韓国の軍事費が北朝鮮より34倍も多い」とする評価に対し「そこまで差は大きくない」と弁明しようとする内心があるためだろう。しかしこの資料は、北朝鮮の軍事費は購買力為替レートで、韓国の軍事費は市場為替レートで計算しており、北朝鮮の軍事費を水増しさせた資料だった。

 この日、国防部当局者が「北朝鮮軍の隠匿軍事費をどう推定したのか」という質問に「北朝鮮で増えた武器体系などを金額に換算した。それ以上は明らかにすることはできない」と逃げ出したのは保安事案なのでやむをえないとしよう。しかし別の比較定規で実状を歪曲するのは、軍自ら信頼を失う“オウンゴール”となる。軍は昨年ユン一等兵暴行致死事件を隠蔽・縮小させ非難の世論が沸騰するたび、「今後は隠したりしない」と頭を下げた。しかし今回のことは、その時の自省と約束に再び疑問符を付けさせてしまう。

パク・ビョンス先任記者//ハンギョレ新聞社

 実状は国防部の資料に従っても、南北の軍事比は概略4:1に近い。米国中央情報局(CIA)のワールド・ファクトブックは2014年の韓国の国内総生産(GDP)を市場為替レートで1兆4490億ドル、購買力為替レートで1兆7860億ドルと評価している。この比率を適用すれば、韓国の国防予算325億ドルは購買力為替レートで397億ドルに増える。

パク・ビョンス先任記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr )

韓国語原文入力:2015-04-14 23:32

https://www.hani.co.kr/arti/politics/defense/686885.html 訳Y.B

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