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李明博前大統領含む「資源外交5人組」の国会証人採用不発に終わる

登録:2015-04-05 21:59 修正:2015-04-06 08:24
李明博前大統領が旅行を終えてサイパンから1月30日夜帰国し、仁川空港で車に乗り込んでいる 仁川/キム・ソングァン記者//ハンギョレ新聞社

 与野党、期限延長合意できず...聴聞会も開けないまま、明日終わる見込み
 朴大統領の「腐敗清算」虚言に…数十兆無駄にした疑惑、闇に埋もれる可能性

 李明博(イ・ミョンバク)政権が意欲的に推進したものの、数十兆ウォンの貴重な税金を無駄にしただけのことが明らかになった海外資源開発の政治的責任を問う国会「海外資源開発の真相究明のための国政調査特別委員会」(国調特別委員会)が、聴聞会も開けないまま空転を続けた末、7日に終わる状況だ。与党が李明博前大統領などの聴聞会への出席を「政治的攻勢」と断固反対したためだが、資源外交聴聞会の本質そのものが過去の政権の判断に対する政治的責任を問う点にあることから、批判が出ている。

 資源外交の失敗に伴う問題点は、朴槿恵(パク・クネ)大統領と李完九(イ・ワング)首相なども最近、政治的かつ司法的に明らかにしなければならないという意向を示している。朴大統領は、先月31日の国務会議で、「過去に問題があった事業のように、予算投入において確実な判断がつかない状態で進められると、結局血のような私たち国民の税金で埋めるしかない」とし「私たち(現)政府は、そのようなことは決して許さない」と過去の政権の海外資源開発の失敗を事実上認めた。李完九首相も先月12日、国民向けの談話で「海外資源開発と関連した背任、不良投資などは国家財政に多大な負担」だと指摘し、“刃先”を李明博政権に向けた、監査院は3日、「李明博政権当時、海外資源開発事業に投資された資金は27兆ウォン(約2兆9567万円)で、回収額は4兆ウォン(約4383億円)に過ぎず、今後回収できる見通しは不透明だ」と発表し、これを裏付けた。

 野党は、一応今月25日まで延長できるようにした合意に基づいて、国政調査期間の延長を主張している。オ・ユングン新政治民主連合院内代表は5日、ハンギョレとの通話で「国政調査期間を延長し、李明博前大統領など前政権の主要人物が聴聞会に出て疑惑について答えるようにすべきだ」と強調した。

 当初国調特別委員会は、エネルギー公企業3社を対象に、3月31日、4月1日と3日の3回の公聴会を開き、6日には一般証人を呼んで公聴会を開くことに合意していた。しかし、野党が、李明博前大統領と前大統領の兄のイ・サンドク元議員、李明博政権で知識経済部長官を務めたチェ・ギョンファン現経済副首相兼企画財政部長官、パク・ヨンジュン前知識経済部第2次官など、いわゆる「資源外交5人組」の出席を要求したのに対抗し、セヌリ党が盧武鉉(ノ・ムヒョン)政権で大統領秘書室長を務めた文在寅(ムン・ジェイン)新政治民主連合代表と産業部長官を務めたチョン・セギュン議員を証人として要求し、空転の危機に追い込まれた。与党が野党の証人要求を「政治的攻勢」と規定して、政治的に対応したものだ。

 これまで100日間行われた国調特別委員会は、決定的な成果はあげられなかったが、李明博政権当時「資源外交」という政権の功績広報に動員された海外資源開発の虚像については、ある程度明らかにする効果はもたらした。国調特別委員会の野党議員たちによると、国調特別委員会を通じて、李前大統領は28件の海外資源開発事業了解覚書(MOU)を直接結んでおり、イ・サンドク元議員はボリビアのリチウム事業を推進める当時、8000ドルの賛助金を民間企業から収受した疑惑が提起された。代表的な失敗事例として挙げられる韓国石油公社のカナダハーベストの買収をめぐり、チェ・ギョンファン経済副首相の責任論と、キム・ベクチュン元大統領府総務秘書官の息子が在職中の「メリルリンチ」の介入疑惑も提起されたが、明確な真相究明には至っていない。検察などの捜査権や調査権がない国会でこの問題を究明するためには、当事者を直接呼んで証言を求める聴聞会以外、何の方法もない。

 セヌリ党の内部でも資源外交の問題点を認める発言が出ている。チョン・ドゥオン セヌリ党議員は、「資源外交はどの政権であってもやらなければならない、必ず必要な政治的行為」だとしながらも、「問題は資源外交をするとファンファーレを鳴らして物だけを買いあさってしまい、みずから価格を釣り上げただけでまともな取引ができなかったこと」だと指摘した。チョン議員は「それに政権の実力者たちが先を争って乗り出したため、公企業の社長らが、もしかしたら長官にでもなれるかもしれないとの期待から実績を争って大騒ぎになった」とし「当初のコンセプト(構想)が間違っていたし、親類の実力者などの介入で無理な実績競争につながり、問題が起きた」と指摘した。資源外交の政治的責任究明が必要な理由だ。

 ところが、セヌリ党は、監査院の監査と検察の捜査が行われている状況で、国調特別委員会を継続することは無意味だとし、期間の延長に反対の意向を明らかにしている。特に、国調特別委員会のセヌリ党幹事が、李明博政権当時大統領府の法務秘書官を務めたクォン・ソンドン議員で、李前大統領の聴聞会の証人採用などについて最も頑強な立場を見せているため、合意が容易ではない見通しだ。与野党の院内指導部は7日、国調特別委員会の延長問題をめぐり、最後の談判を行う予定である。与党が、4月の臨時国会内の処理を強く望んでいる公務員年金改革と、資源外交の延長とを「ビッグディール」するという予想も出ているが、実現は不透明な状況だ。

 『ニュース打破』が先月31日、リアルメーターに依頼し、全国の成人男女500人を対象に調査した結果、回答者の81.6%が国調特別委員会の活動期限延長に賛成することが分かった。また、李前大統領を証人として採用すべきか否かをという質問にも賛成意見が67.2%で、反対意見(17.3%)の4倍に達することが分かった。

イ・スンジュン、チェ・ヒェジョン、ソク・チンファン記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr )

韓国語原文入力:2015-04-05 19:55

http://hani.co.kr/arti/politics/politics_general/685534.html 訳H.J

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