油田開発-SOC事業連係
資金調達問題に火が点くと
“大統領の認識”を前面に掲げ推進督励
石油公社、現在までに数千億ウォンの損失
失敗した海外資源開発事業と評価されるイラクのクルド油田開発契約が推進される当時、大統領府と知識経済部(現、産業通商資源部)が韓国石油公社から進行状況の報告を受け、契約を推進する方向を提示していたことが分かった。「海外資源開発の総括指揮は首相室が務めた」「エネルギー公企業が処理したこと」としてきた李明博(イ・ミョンバク)前大統領と同政権関係者たちの最近の主張と相反するもので、李前大統領と当時の政府関係者らに対する疑いが深まっている。
チェ・ミンヒ新政治民主連合議員が29日に確保した石油公社文書「イラク・クルドMOU(了解覚書)事業関連会議内容報告」「イラク クルドMOU事業関連機関会議」によると、大統領府が2008年2月14日、韓国石油公社とクルド自治政府の間で締結した油田開発と社会間接資本(SOC)建設事業契約の進行現況報告を受けて「大統領の認識」を前面に掲げ意見を提示していたことが分かった。
文書によれば、2008年4月13日、当時キム・ドンソン大統領府知識経済秘書官と2人の行政官は石油公社ソン新規事業1処長を呼び、2時間30分にわたり会議を行った。 この席で「民間企業の金融調達問題が解決されていない」という石油公社の説明に、キム秘書官は「大統領はクルドMOUをマスコミ報道とともに油田開発・SOC事業を連繋させ大型鉱区を確保することになった事業とのみ認識していて、『資金調達方案に対する具体的な合意なし』という報告を(大統領が)受ければ、問題になる素地があると憂慮を示した』という文章が現れる。
キム秘書官は「金融調達問題に政府が関与するのは適切でない」としつつも「SOC事業が遅延・取り消しされる場合、韓国企業のクルド油田開発事業参加にも支障発生可能性があり憂慮される。公社がクルド政府側と事業推進の方向を議論して、必要に応じてSOC事業と分離して単独での事業参加の可能性も協議してみることが望ましい」という意見も提示した。 会議の5日後、知識経済部ではユン・サンジク当時資源開発政策官の主宰で石油公社と民間企業側要人が参加した会議が開かれた。
これに関してチェ議員は「これは事実上、李大統領が認識している水準でクルド事業を進めることを勧めた圧迫に他ならない」と指摘した。 当時の会議はMOU締結後にクルド自治政府が油田開発と原油の確保を条件にSOC建設事業費約21億ドルを韓国が負担することを要求し、石油公社は「資金問題は民間企業が解決しなければならない」という立場を固守して事業がまともに進行されない時になされた。 結局その年の11月、石油公社はSOC事業費を抱え込む側でクルド政府と本契約を締結したが、「当時の会議で本契約締結方向の枠が決まった」とチェ議員は主張する。
クルド油田開発事業は、当時大統領職引継ぎ委員会「国家競争力強化特別委の投資誘致TF」が関与して、2月14日のMOU締結に先立ち大統領当選者身分の李前大統領が、訪韓したクルド自治政府のネチルバン・バールザーニー首相に会い協力を約束して「MB(李明博)資源外交1号」と呼ばれた事業だ。 当時、政権と言論は最大20億バレルの原油と10億ドル相当の建設事業を受注したと大々的に知らせた経緯がある。 現在、クルド油田開発事業は4400億ウォンを投資したが3鉱区から撤収して投資金額だけで最小3億ドル(現在3320億ウォン)の損失を被ったと推定されている。
これについてチェ議員は「大統領府と李明博政府関係者らが直間接的に関与した事業であることが明らかになった以上、李前大統領が責任を負わなければならない」と主張した。