チョ・ウンジュさん、LCD工場3年で血液癌
半導体だけでなくLCDでも職業病続出
「こんにちは、チョ・ウンジュの母、キム・ギョンヒです」
故ファン・ユミさんの8周忌を迎え、4日、ソウル中区の金属労組で開かれたサムスン電子職業病被害者証言大会に参加したキム氏は「ここで娘の話をしようとしたら、心に釘を刺すような思いです」と言って、言葉を継ぐことができなかった。 「1992年生れの私の娘は大企業に就職したと喜んでいましたが、3年足らずで、ひどい苦痛を訴え始めました」と涙をこぼした。
キム氏の娘、故チョ・ウンジュさんは2010年7月、当時のサムスン電子忠南湯井(タンジョン)工場(現サムスンディスプレイ湯井工場)に入社し、LCDテレビの不良検査に従事していた。 しきりに「体が痛い」と言っていたチョ・ウンジュさんは2013年9月、骨髄異形成症候群との診断を受けた。 骨髄移植を待ちながら1年5カ月の闘病生活をし、2月10日に満23歳という若さでこの世を去った。 8年前(2007年3月6日)に白血病で死亡したファン・ユミさんも、その時やっと22歳だった。
キム氏は娘の労災申請をする予定だ。 彼女は「職業病なのに労災処理にならないんですかと尋ねたら、会社が『何千人という社員がいるんだから、みんな病気にならなきゃおかしいじゃないか』と言って、だめだと言うんですよ。 でも、家族の中に癌で亡くなった者もいませんし、それ以前に娘は病院など行ったこともないので、職業病だと確信しています」と語った。
LCD工場労働者の職業病問題は2009年3月、サムスン電子器興(キフン)のLCD製造工場で働いていたハン・へギョン氏が脳腫瘍にかかって労災申請したことをきっかけに、世間に知られるようになった。 その後これまでに31人のサムスンLCD労働者がパンオルリム(半導体労働者の健康と人権を守るパンオルリム)に職業病の情報を提供し、このうち6人が労災申請をした。 しかし、まだ認定されたケースはない。パンオルリムのイ・ジョンナン労務士は「サムスンLCD工場の労働者が相次いで病気にかかって死亡しているのに、有害要因がきちんと調査されたことがなくて、業務連関性が認められにくい状況にある」として「使用される化学物質や製造工程が半導体工場と似ているLCD工場も、有害性調査が必要だ」と指摘した。 サムスン電子側はこれと関連した見解を明らかにするよう求めるハンギョレの要請に答えなかった。