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[原発解体] 韓国は技術・人材とも不毛の地…本格化させるには人材輸入が不可避

登録:2015-03-05 20:03 修正:2015-03-08 08:04
古里1号機・月城1号機寿命延長
 24基のうち12基は2030年までに寿命終了
 政府、迫り来る後始末に対する深刻さ無し
 民間で専門大学院の設立推進
月城1号機 //ハンギョレ新聞社

 韓国内で2番目に設計寿命が尽きた月城(ウォルソン)1号機の再稼動と関連して、原子力安全委員会が「審査不十分」と「法的要件違反」を主張する一部の委員の反発退場にも拘らず、採決を強行して寿命延長を決定した。 “原発廃炉”の開始は再び延期されたわけだ。 しかし、すでに1回寿命延長を行なった古里(コリ)1号機の寿命満了が2017年にやってくる上に、今年上半期中に寿命再延長申請をするかどうかを決定しなければならないために、老朽原発の安全性をめぐる議論は静まらないものと見られる。

 韓国の原発稼動の歴史は1977年に始まった。 国内原発の寿命は30~40年であるため、原発廃炉は事実上足元に火がついた状況だ。 国内にある24基の原発のうち半分に当たる12基が2030年までに順次寿命を終える。古里1号機を入れると、今後10年内、即ち2025年までに寿命を終える原発は5基にもなる。 古里1号機の寿命再延長については、セヌリ党所属の徐秉洙(ソ・ビョンス)釜山市長が就任前に公約で延長反対を約束し、最近は金武星(キム・ムソン)セヌリ党代表も、古里1号機の廃炉可能性を示唆した。 しかし、原発事業者である韓国水力原子力と主務省庁である産業通商資源部は、古里1号機の寿命再延長申請の有無について「検討中」という言葉だけを繰り返している。

 日本の福島原発事故以後、韓国では安全に対する憂慮がいっそう高まり、また、第1世代原発の多くが開発独裁時代に地域住民の意見をまともに集約することなく建てられたため、現時点で財産権と健康権に対する回復要求は激しい。 特に、今年1月に公布された原子力安全法は、事業者が原発寿命延長申請の際に提出しなければならない放射線環境影響評価書類に、住民の意見集約の結果を反映するよう求める条項を新たに導入し、この7月に発効する他の条項とは別に、「即時発効」とした。 住民が老朽原発に対して、より高い最新安全基準を要求するのは当然だ。 この場合、事業者は、巨額の費用を投資して安全基準を引き上げるか、このような投資で経済的利益がなければ廃炉を選択するか決断を下さなければならない。 実際、月城1号機と双子の原発である重水炉型のカナダのジェンティリー2号機(Gentilly-2)は、このような状況で廃炉を選択した。そういう中で、原安委が月城1号機の寿命延長審査において、改正法が要求した住民の意見を汲み上げる条項を「遡及不可」と解釈して採決を強行したことに対して激しい反発が起きている。

 韓国は日本と違い、廃炉の経験がある専門人材、技術、制度整備に関して日が浅い状況だ。 いつかは選択しなければならない廃炉の過程で、少なからぬ試行錯誤が避けられないわけだ。 最近、「脱核エネルギー教授の会」や仏教界が、国内の廃炉関連技術人材養成のための専門大学院設立推進の動きを見せているが、現在、韓国内の原子力工学人材の代表的産室であるソウル大学と漢陽(ハニャン)大学の関連学科には、学部・修士課程を通して原発廃炉のカリキュラムが全くないと言えるほどに、不毛の地に近い。 関連法令も、今年1月に公布された原子力安全法になってようやく解体に関する基本規定が設けられ、施行令が不備なため、発効は今年7月以降となっている。 原子力専門家団体である「原子力安全と未来」のイ・ジョンユン代表は、「韓国の原子炉解体の経験は、実際の原発の数十分の1規模である研究用原子炉の解体程度が全てなので、原発の解体が現実化したら、ドイツなど外国から技術人材を大挙導入する以外に方法がない」と指摘した。

チョン・セラ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/economy/economy_general/680301.html 韓国語原文入力:2015/03/02 10:07
訳A.K(1735字)

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