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寿命延長決まった月城1号機の安全性、IAEA基準満たせず

登録:2015-03-04 22:20 修正:2015-03-05 06:28
原子力の専門家団体「水門ないため放射能漏れ試験が不可能」
月城1号機 //ハンギョレ新聞社

 先月27日に寿命延長が許可された月城(ウォルソン)原発1号機の安全性が国際原子力機関(IAEA)が提示した最新の基準を満たせないという指摘が出ている。

 環境運動連合と原子力専門家団体である「原子力安全と未来」は4日、「月城2〜4号機とは異なり、月城1号機の格納容器には、使用済み核燃料を抜き出すときに使用する水路に水門がなく、国際原子力機関が提示した放射能漏れ試験を行うことができない状態で、安全性評価の国際基準に適合しない」と明らかにした。

 キャンドゥ型重水炉(CANDU炉、カナダ型重水炉)である月城原発1〜4号機は、原子炉が入っている格納容器から一日に2回、40分間にわたって使用済み核燃料を抜き取る。カナダでは、この時、格納容器内部の放射能が漏れないようにする装置を補強するよう、1991年基準(R-7)を強化し、使用済み核燃料が放出されるプールに水門を付けるとともに遮断弁を二重化するようにした。この基準に基づいて月城2〜4号機には、水門の二重弁が設置されたが、それ以前に設計された月城1号機には適用されなかった。これと関連し月城1号機の寿命延長(継続運転)を審査してきた韓国原子力安全技術院側は「外国の基準を準用し、独自の基準を作って放射能漏れ試験を5年ごとに実施しており、今回の継続運転のための審査の際、これまでの試験結果を検討した結果、問題がないことを確認した」と明らかにしている。

 しかし、イ・ジョンユン原子力安全と未来代表は、「原子力安全法施行令には、原発の寿命を延ばすためには、安全性を最新の安全基準レベルに改善しなければならないと規定されている。最新の2012年の国際原子力機関の基準には、月城1号機の場合、放射能漏れ試験自体を行うことができない」と反論した。カナダの基準は、設計圧力(原発を設計する際に事故発生により格納容器に加えられるであろうと仮定した最大圧力)よりも低い圧力で放射能漏れ試験を行ってから、設計圧力の条件に換算する方法を用いるようになっているが、国際原子力機関は、 2011年福島原発事故後、直接設計圧力で放射能漏れ試験を行うように規定を強化した。月城1号機には水門がないため、設計圧力(18psig・圧力単位)で放射能漏れ試験を行うと、プールにある3.5メートルの水は5psigしか耐えられず、すべて漏れ出してしまうため、放射能がどこへ漏れていくのか試験自体が不可能だというのだ。

イ・グンヨウン先任記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr )

韓国語原文入力: 2015.03.04 19:43

https://www.hani.co.kr/arti/society/environment/680776.html  訳H.J

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