現代自動車の社内下請け労働者が「私たちが現代自動車の正規労働者であることを確認してほしい」として出した訴訟で、最高裁は明確で一貫した判断を明らかにしている。 直接組立工程であれ間接工程であれ、正社員と混じって仕事をしようが社内下請け労働者だけが別に分かれて仕事をしようが、形式的に勤労契約を誰と結んだかとは関係なく全員が不法派遣であるので現代自動車の正社員だということだ。 2010年7月、チェ・ビョンスン氏事件と今月26日のキム・ジュンギュ氏ら社内下請け労働者4人の事件で最高裁が強調したメッセージだ。
事情がそうであっても世界5位の自動車メーカーである現代自動車は、最高裁の一貫した判決趣旨を受け入れようとしない。 代わりにこれを全て個別労働者の問題と主張したかと思えば、法にともなう正社員転換を履行せずに「やれるならやってみろ」という態度を取っている。 現代自動車は27日、蔚山(ウルサン)工場など各工場で配布した社報「共に行く道」で「いつまで待てば良いのか、誰が勝訴するか誰も断言できない状況で、特別雇用は社内下請け職員のための最善の解決法」として「集団訴訟が残っており特別雇用も進行中という状況で、一部人員に対する判決を口実にした闘争扇動は自らの被害を大きくするだけ」と主張した。
最高裁判決に鼓舞された社内下請け労組が追加訴訟に乗り出そうとする動きを“闘争扇動”と非難して、正社員転換という夢を見ずに会社の新規採用に応じろという話だ。 どのみち「時間は会社の味方」という自信に基づいている。
初めて現代自動車正社員確定判決を受けたチェ・ビョンスン氏を見れば、現代自動車が持つ自信の実体を確認できる。 チェ氏はこの間、差別を受けた賃金2億8000万ウォン(不当解雇時には2倍をさらに上乗せするという現代自動車団体協約により実際に受け取る金額は8億ウォン)を未だに現代自動車から受けとっていないだけでなく、2004年の不当解雇を争う訴訟も11年が過ぎた現在9級審(地方労働委-中央労働委-行政裁判所-高裁-最高裁-高裁-最高裁-中労委-行政裁判所)に2年間かかっている。現代自動車が上訴を続けている上に憲法訴訟まで出したためだ。
チェ氏の現在の状況は、キム・ジュンギュ氏ら4人はもちろん、昨年9月に1審で勝った社内下請け労働者1179人の未来でもある。 現代自動車は“強者の論理”を振りかざし続けている。
朴槿恵(パク・クネ)大統領は2012年の大統領選挙を控えて「裁判所で不法派遣判決を受けた事業場は、特別勤労監督を実施し同じ不法派遣が確認されれば元請業者が直接雇用するよう命令する」と約束した。 今がまさにその約束を守る時だ。