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現代自動車非正規職問題、損害賠償訴訟で不法派遣訴訟取り下げの圧力

登録:2014-11-28 08:14 修正:2014-11-28 19:28
非正規職労組がチョン・モング会長を告訴
「いかなる訴訟もしない合意書を要求
1審敗訴で社側の圧迫が激しくなっている」
現代自動車社内下請け非正規職を対象にした侵害賠償訴訟//ハンギョレ新聞社

 現代自動車社内下請け労働者1179人の不法派遣を認めた裁判所判決後、現代車側が下請け業者の管理者などを前面にだし労働者を相手に提起した損害賠償訴訟を取り下げる条件で、「不法派遣訴訟(勤労者地位確認訴訟)」取り下げの圧力をかけているという主張が提起された。 現代車社内下請け非正規職労働者(金属労組現代車非正規職支会)は、元請けである現代車とチョン・モング代表理事を不当労働行為で27日告訴した。

 金属労組現代車非正規職支会はこの日、裁判所の前で記者会見をもち「(現代車が)損害賠償という武器を使って労組脱退と勤労者地位確認訴訟取り下げを勧めている」と明らかにした。キム・ソンウク支会長は「9月に裁判所が不法派遣を認めた後、損害賠償訴訟裁判の進行が早まっている」として「来月3日の損害賠償控訴審宣告を控え圧迫に負担を感じた組合員が訴訟を諦めたり労働組合を脱退している」と話した。ある組合員は「先月、協力業者の所長がきて(2010年のストライキを理由に会社が労働者に出した) 70億損害賠償訴訟に自分の名前があるといい、今後は会社を相手にいかなる訴訟も提起しないという合意書を書いてくれと言った」と話した。こうした社側の圧迫は「不法派遣が認められた1審判決後に深刻になった」というのが組合員の主張だ。

 現代車側は社内下請け非正規職労働者を相手に進めてきた損害賠償請求訴訟で、10月17日と11月7日、被告323人中119人に対し訴訟を取り下げた。この訴訟は、2010年に現代車非正規職支会がチェ・ビョンスンさんの不法派遣を認めた大法院(最高裁)判決により正規職化を求めて25日間のストライキをすると、会社が労働者に70億ウォンの損害賠償を請求したものだ。訴訟が取り下げになった119人のうち118人は労組を脱退、116人は勤労者地位確認訴訟を取り下げている。訴訟を取り下げた116人のうち41人は裁判所で不法派遣を認められた労働者だ。

 ソン・ヨンソプ金属労組法律院長は「現代車は損害賠償訴訟を正当な労組活動と勤労者地位確認訴訟裁判を防ぐための手段として悪用している」と批判した。これに対し非正規職支会は、損害賠償訴訟取り下げを条件として労働3権と裁判請求権を侵害したとし現代車を不当労働行為で告訴・告発した。 現代車関係者は「下請け業者側で訴え取下げを勧めているかは知らない」と話した。

 ソウル地方裁判所は9月18日と9月19日、現代車社内下請け非正規職労働者1179人全員に対し、彼らが現代車正規職であると判決した。2010年11月に訴訟を提起して4年目の宣告だった。ただし、不法派遣裁判は遅々として進まないのに、「不法派遣正規職化」を求めて行ったストライキに対する損害賠償請求訴訟裁判は一気呵成に進められている。ストライキを理由に会社が2010年提起した損害賠償訴訟7件の1審判決はほぼすべて下されているし、12月3日に2件の控訴審判決が予告されている。現代車が非正規職労働者を相手に提起した損害賠償請求訴訟総額は232億4373万ウォンにのぼる。

キム・ミンギョン記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr )

韓国語原文入力:2014.11.27 22:24

https://www.hani.co.kr/arti/society/labor/666590.html 訳Y.B

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