異例なほど濃い冬の黄砂が22~23日に韓国全土を覆ったが、黄砂が猛威を振るう春には黄砂の発生日数が例年より少なくなりそうだ。ただし3月初めに再び強い黄砂が押し寄せる可能性があると予報された。
気象庁は23日、「今春は黄砂が例年より少ないか同じくらい発生するものと予想される。しかし、主な黄砂発生地が高温乾燥した状態であるため、大陸高気圧が発達する3月前半に強い黄砂が再び押し寄せる恐れがある」と明らかにした。
韓国で黄砂現象が発生するには、第一にゴビ砂漠や内モンゴル高原など発生地の気象状態が黄砂発達に充分でなければならず、第二に強風が吹いたり低気圧が発達して砂漠の砂が上昇気流に乗って数キロ上空まで舞い上がり、第三に朝鮮半島北側に大陸高気圧が発達し、北西風に乗って黄砂が朝鮮半島に移動した後に下降気流を通して降りてくるなどの条件が重ならなければならない。
今回の黄砂はその三拍子がそろって発生した。モンゴル南部と中国北部地域の今年2月の気温が例年より高く、降水量も少なく地表面が非常に乾燥した状態で、20~21日にモンゴル東側地域にあった低気圧後方の強い風によって黄砂が発生した。この黄砂が中国東北地方に発達した大陸高気圧によって北西風に乗り、南東に進み22日に朝鮮半島を急襲したのだ。さらに今回は朝鮮半島東側に形成された高気圧が黄砂の東進を防ぎ、ソウルでは23日午前4時頃に1時間の粒子状物質(PM10)の濃度が1立法メートル当たり10440μgまで上昇した。これは過去5番目に高い数値であり、黄砂警報が初めて下された2010年11月以来最も高い。一部地域では24日まで黄砂が続き、全国の粒子状物質が「悪い」の水準に達する見込みだ。
気象庁が今春の黄砂発生日数が例年(1981~2010年の平均5.2日)より少ないと見通す理由は三番目の条件と関連している。キム・ヒョンギョン気象庁気候予測課長は「昨年秋から(北極海の)カラ海からパレンツ海の解氷面積が例年と似た水準であり、中国大陸とシベリア地域の気温が例年より高く、春に強い大陸高気圧が韓国に影響を与える確率が少なくなった。春は移動性高気圧と低気圧の影響を周期的に受け、韓国周辺の空気が主に東南~南西方向に流れて黄砂が流入しにくい気流条件になる展望」と説明した。キム課長は「しかし3月初めに大陸高気圧の影響を受ければ、一時的に北西風を乗って黄砂が韓国に流入することもある。発生地の状態が高温乾燥し、今回のように強い黄砂になる可能性が高い」と付け加えた。
一方4~5月には移動性高気圧のへりに沿った南西風の流入と日射により、一時的な高温現象が現れ、南部地方を中心に雨が多く降ることがあると気象庁は見通した。
韓国語原文入力:2015.02.23 22:41