チョ・ヒョナ前大韓航空副社長(41・拘束)が“ナッツリターン”当時に航空機が移動中であることを知らなかったとした当初の主張とは異なり、実際には航空機が既に出発したという事実を知っていたことが分かった。
16日ハンギョレが入手した控訴状全文を見ると、先月5日、米ニューヨークJFK空港から仁川空港に出発した大韓航空KE086便のファーストクラスでチョ容疑者がナッツのサービスを問題視し大声で叫び暴言を吐いていた0時53分(現地時間)、この航空機はゲートと滑走路をつなぐ誘導路に向かって移動していた。このため事務長が「飛行機を止めることはできない」と引き止めたが、チョ氏は「関係ない、お前が私に意見するの?誰に向かって口答えしているのよ。止めろと言ったでしょう」と怒鳴り、航空機を強制的に止めるように指示した。
20分間以上続いたチョ氏の暴言と怒号に事務長は機長にインターホンで「異常事態が発生し飛行機を引き帰せばらないようだ」と報告し、航空機は約22秒間20メートルほど移動した地点で止まった。同空港は駐機場が狭く後進する航空機が事前制御なしで停止した場合、他の航空機と衝突する可能性があるなど、重大な危険を招くかもしれないのに立ち止まったことが分かった。検察は「当時、機長と事務長などには航空保安法上の司法警察管理として機内で騒ぎ起こしたチョ容疑者を制圧・逮捕する権限があったが、グループの總帥一家であるチョ氏の威勢に押されて関連職務を全く行使できなかった」とした。
チョ氏と一緒に起訴されたヨ・ウンジン大韓航空常務と彼に国土交通省の調査内容を漏洩した疑いで起訴されたキム国土部航空安全対策責任者は、大学と大韓航空において3年の先輩と後輩の間柄で、入社当初からいわゆる「射手と副射手(仕事を教える側と教わる側との関係)」の関係で非常に親しかったという。また、キム氏が国土部に職場を移した後も一緒にゴルフをするなど“管理”してきたことが明らかになった。ヨ常務が国土部の調査を控え虚偽の陳述はできないと拒否する事務長に「(国土部の)どこか政府機関なのか。ここにいる皆大韓空港にいた面々だ。何の問題にもならない」と懐柔したのにはこのような背景があると検察は説明した。
韓国語原文入力:2015.01.16 19:19
https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/673995.html 訳H.J