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朴大統領の政府組織改変で秘書室長と“門番3人組”留任

登録:2015-01-24 00:16 修正:2015-01-24 07:48
総理にセヌリ党のイ・ワング院内代表指名
新しい国務総理候補者に指名されたセヌリ党イ・ワング 院内代表が23日午前、国会で記者会見を行い「最後の公職という覚悟で受諾した」と立場を明らかにし、笑顔で立ち上がっている。 イ・ジョンア記者 //ハンギョレ新聞社

“盧武鉉捜査”のウ・ビョンウは民政首席に昇進
化粧直しだけの民心逆行の人事

 朴槿恵(パク・クネ)大統領が23日、セヌリ党のイ・ワング院内代表を国務総理候補に指名し、大統領府首席秘書官3人を交替、特別補佐団4人を新たに任命する内閣と大統領府組織改編を断行した。

 朴大統領はこの日、チョン・ホンウォン国務総理の後任候補者にセヌリ党イ・ワング 院内代表(65・忠清南道)を指名した。大統領府国政企画首席秘書官の名称と機能を変えた政策調整首席秘書官にはヒョン・ジョンテク前韓国開発研究院(KDI)院長(66・慶尚北道)、空席だった民政首席にはウ・ビョンウ現民政秘書官(48・慶尚北道)、未来戦略首席にはチョ・シン延世大学情報大学院教授(58・全羅南道)を内定した。 新設された民政特別補佐官にイ・ミョンジェ元検察総長(72・慶尚北道)、安保特別補佐官はイム・ジョンイン高麗大学情報保護大学院長(59・ソウル)、広報特別補佐官はシン・ソンホ元中央日報論説委員(59・ソウル)、社会文化特別補佐官はキム・ソンウSBS企画本部長(56・慶尚北道)を内定した。

 朴大統領のこの日の人事は、支持率が就任以来最低水準に急転直下した状況で、急遽断行された。 だが、キム・ギチュン秘書室長といわゆる“門番3人組”等、国民的関心が集まっている人たちは全員留任されたため、悪化した民心を回復するには極めて不十分なものとみられる。 ただしイ・ワング国務総理カードについては、政界では概して肯定的な反応が出ている。

 ユン・トゥヒョン大統領府広報首席はこの日のブリーフィングで、キム・ギチュン秘書室長の去就に関連して「組織改編が進行中だ。まだ仕事が残っている」と話した。大統領府3人組も全員健在だった。 ユン主席は3人組の役割調整を説明し「イ・ジェマン総務秘書官は大統領府人事委員会には同席できないようにした。 第2付属室が廃止され、アン・ポングン第2付属秘書官は広報首席室(国政広報秘書官)に席を移すだろう」と話した。チョン・ホソン第1付属秘書官は第2付属秘書官室の廃止で“付属秘書官”に名前だけが変わった。 朴大統領が門番3人組を通じて外部世界と疎通する構造を変えられないことを繰り返し明らかにしたわけだ。

 今回の人事発表に先立ち、大統領府参謀の間からも「キム室長の退陣がない改編案では民心を動かし難い」という雰囲気があったという。 だが、朴大統領はキム室長の後任者を指名せず、今回の人事発表を強行した。 朴大統領は「大統領府の公式参謀システム」の活用に焦点を合わせることより、与党と政府を掌握して大統領の意向を貫徹させる人を求めために“人材難”に陥り、その結果が今回の人選発表として現れたわけだ。 朴大統領が今まで内閣を総括する総理よりキム室長に頼ってきたことを如実に示す。

 朴大統領が“第2のキム・ギチュン”を物色しているとなると、今まで維持してきた国政運営のやり方を変える意向がないのではないかとする憂慮も出始める。これに対しセヌリ党関係者は「キム室長なしには懸案解決や人事ができないほど朴大統領と大統領府が無能であるのを認める格好」と批判した。与党の別の要人も「今回は大統領が世論を受け入れ、予想以上に大きく変えたようだな。苦悩があったという感じを与えなければならないのに、どうしようもなかったような印象を与えた」と酷評した。

 他の人選についても、国民の期待には届かなかったり、むしろ逆行したという指摘もある。ウ・ビョンウ民政秘書官の民政首席昇進がその代表例だ。野党は昨年5月、彼が民政秘書官に任命される時に「元大統領を死に追い込んだ事件の主任検事を任命したことは、民心を全く理解できない不適切人事」と反発したことがある。 昨年末の“秘線(隠密の)実力者”波動の時、大統領府特別監察を主導して高圧的な捜査論議を起こしたことのある彼が、大統領府公職規律が弛緩する震源地に名指しされた民政首席室を率いることが果たして適切なのかという批判もある。

 大統領府が改編のまた別の柱として前面に出した“特別補佐団”も、やはり明確な責任と任務が与えられない非常勤体制なので、この間の“不疎通”批判に苦しめられた大統領府のシステムをどれほど変えられるか疑問だ。

 結果的に朴大統領は今回の大統領府人事では、空席だった民政首席の席を満たし、政策調整首席(既存の国政企画首席)と未来戦略首席だけを交替した。 交替させられた人々は業務に問題があったとか刷新を要求されていた対象ではない。 政界では「側近を保護するために見当違いの人を飛ばした」という寸評まで出てきた。

 イムン政治戦略研究所イ・チョルヒ所長は「国民の人的刷新要求は、不偏不党人事を行い、上手な疎通をしてもらうことだったのに、責任を負うべき人は責任を負わず、“親朴体制”を強化しただけ」と評価し、「総理を変えて特別補佐団を作り化粧直しはしたが、まともな役割を与えたとは見られず、本質は変わらなかったようだ」と指摘した。

ソク・ジンファン、イユ・チュヒョン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/politics/bluehouse/675022.html 韓国語原文入力:2015/01/23 22:12
訳J.S(2370字)

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