新年迎える7時間前に携帯メールで解雇通知…韓国非正規雇用の過酷な現実
あちこちで音もたてずに非正規労働者解雇
新世界系列セントラルシティ
セキュリティ警備労働者たち「青天の霹靂」
韓国東西発電・仁荷大学も
「12月31日」の境界を超えられなかった労働者が大量に解雇された。人々が新年を迎え希望に満ちた人生設計をしたり、たばこの値上げで禁煙を悩んだりするとき、目の前の生計を心配しなければならない立場になった。世論の関心がアパート警備労働者の雇用問題に集る中、毎年恒例のイベントのように行われる1年単位の契約職労働者の解雇が今回もあちこちで音もたてずに行われた。
ソウル瑞草（ソチョ）区 盤浦（パンポ）洞のセントラルシティで3年前からセキュリティの労働者として働いてきたイ氏（60）は、新年をわずか7時間後に控えた先月31日午後5時、青天の霹靂のような「解雇通知」を受け取った。新世界系列のセントラルシティが新たに選定した用役業者から「面接の結果、不合格となったことをお知らせします」という携帯メールが届いたのだ。
このように解雇通知を受けたのは54人のセキュリティの労働者のうち35人に達した。イ氏は6日、「我々には生計がかかっていることなのに、突然解雇通知をするなんて、話にならない。解雇基準もなく、胸がつぶされる思いだ」と話した。
セントラルシティで9年間セキュリティの労働者として勤務したソク氏（61）も2014年の最後の日没と共に“クビ”になった。ソク氏は「用役業者が変わったことも解雇通知2日前の先月29日行われた面接で初めて知らされた。面接の翌日（雇用が継続されるかどうかを）教えてくれると言われたのに、何の連絡もなかったので、当然雇用が続くものだと思っていた」と語った。
新しい用役業者に選定されたＪシステムは、全体のセキュリティ労働者の面接を実施した。セキュリティの労働者たちは、セントラルシティ側が用役業者を変える度に契約書を新たに書かなければならなかったが、雇用継承には特に問題もなく、別に気にしていなかったという。イ氏は「1分ほどの面接だったが『どこに住んでいるか』『班長になったのはいつか』などの一般的な質問だけで、他の話はなかった」と述べた。
しかし、Ｊシステムは既存のセキュリティ労働者には通知せずにセントラルシティ保安要員20人を新たに募集すると発表をした。Ｊシステムは「既存の従業員の雇用を継続するのは義務ではない。当初の入札条件にも雇用継承条項はなかった。面接を実施したが（解雇の）基準は別になく、面接の結果に基づいて合否通知した」と述べた。
解雇労働者は実質的管理をするセントラルシティがこのような事実を知らないふりをしていると主張する。セキュリティ労働者たちは、これまでセントラルシティ安全部から実質的に直接業務指示を受けてきたという。セントラルシティの方が彼らに送信したカカオトークメッセージには、「昼間勤務者、なるべく除雪から始めましょう。現在の現場の写真を送ってください」、「地下商店街で油を発見したら、地区隊に知らせ、業務日誌にも報告したことを必ず記録してください」などの業務指示内容が盛り込まれていた。
勤労基準法は「解雇一か月前の通知」を規定している。求職などの「一時解雇の後」に備える時間を与え、労働者とその家族の生活に与える影響を軽減するための措置だが、労働現場では無視されるのが常だ。
公企業の韓国東西発電所属のある事業所で清掃業務を担当して13年目になる50代の労働者も、年末の先月31日午前10時20分頃、「雇用承継ができない」という電話一本で解雇された。これまで毎年用役業者が変わったが、雇用継承には問題がなかった。新しい用役業者であるH社は「労働契約期間満了」という理由だけを挙げたという。これらの労働者は『ハンギョレ』との通話で「解雇通知に倒れるほどの衝撃を受けた。今不眠症や頭痛に悩まされている。食事もできないほど」だと話した。民主労総側の問題提起を受け、H社はこの労働者に戻って仕事をしてもいいと通知したが、まだ労働契約書は作成していないという。
韓進グループ系列の仁荷大学警備労働者も学内でテント座り込みを行っている。先月31日解雇された警備労働者9人は先月10日になってようやく新しい用役業者から解雇予告通知を受けた。
韓国語原文入力:2015/01/06 20:38
