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韓国最高裁判決「北朝鮮出版物を無条件に利敵表現物とは見なせない」

登録:2015-01-04 18:01 修正:2015-01-05 07:35
公安機関に押収されたいわゆる利敵表現物。ウェールズのアリランも見られる。ハンギョレ資料写真。//ハンギョレ新聞社

 北朝鮮で出版されたとしても、安保を脅かす積極的な攻撃的内容がないなら利敵表現物とは見なせないとする大法院(最高裁)の判決が下された。

 大法院3部(主審クォン・スンイル大法院判事)は、国家保安法違反容疑で拘束起訴されたキム氏(49)に懲役1年、執行猶予2年を宣告した原審を破棄して事件をソウル中央地裁に差し戻したと4日明らかにした。キム氏は大韓航空に機長として勤めた2008~2011年に北朝鮮を称賛する文を数回作成し操縦士労働組合のホームページなどに上げ、金日成主席の回顧録『世紀とともに』などの利敵表現物を所持した疑い(国家保安法の利敵表現物製作・頒布・所持)で裁判にかけられた。

 裁判所はキム氏が所持していた数百のコンピュータ ファイルのうち9つのファイルに対する原審の有罪判断が誤りだと判断した。 裁判所は「『ハン・リョンウンの詩とあなた』、マクシム・ゴーリキー『母』の翻訳本などはその内容と作成の動機などを調べれば、国家の存立・安全と自由民主的基本秩序を脅かす積極的で攻撃的な内容とは見難い表現物」と明らかにした。

 これに先立って1審裁判所は、利敵表現物製作・頒布・所持容疑について全て有罪と認定し「ただしキム氏が直接暴力的な行為はしていない」として懲役1年6か月に執行猶予2年を宣告した。控訴審裁判所は「韓国社会の発展と成熟度に照らしてみたキム氏の行為の危険性の程度」を勘案して、懲役1年に執行猶予2年に減刑した。

キム・ソンシク記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/671994.html 韓国語原文入力:2015/01/04 15:32
訳J.S(770字)

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