チョ・ヒョナ前大韓航空副社長(40)の航空機強制回航事件を捜査中の検察が24日、大韓航空役員との癒着容疑のキム国土交通部調査官を逮捕し、彼の事務室と自宅を押収捜索した。 検察は大韓航空出身のキム調査官が、チョ元副社長に有利になるよう乗務員の陳述をねつ造した疑いを受けている大韓航空旅客担当ヨ常務(57)の証拠隠滅を助けたと見ている。捜査が国土交通部と航空業界の癒着にメスを入れる“航フィア(航空+マフィア)”捜査に拡大する可能性もある。
ソウル西部地検刑事5部(部長イ・グンス)はこの日午前10時、ソウル金浦(キンポ)空港近くの国土交通部航空・鉄道事故調査委員会でキム調査官に対する逮捕状を執行し、彼の事務室で大韓航空調査記録などを確保した。 キム調査官はここで被害者であるパク・チャンジン事務長などを相手に回航の経緯を調査した内容をヨ常務にリアルタイムで教えた疑い(公務上秘密漏洩)を受けている。航空安全監督官であるキム調査官は、大韓航空機内事務長として15年間勤め2002年に国土部に移った“KAL(大韓航空)マン”だ。事件がマスコミに報道された直後に国土交通部の調査に参加した航空安全監督官6人のうちキム調査官など2人が大韓航空出身だったため、公正性の問題が指摘されていた。
国土交通部は当初「調査に何の問題もない」と主張していたが、被害者であるパク事務長が国土交通部との癒着を主張しだし公正性が問われると自主監査に乗り出した。 国土交通部は監査過程で8~14日にキム調査官がヨ常務と数十回通話し、携帯メールをやりとりしていた事実が明らかになり検察に捜査を依頼した。
検察は24日、チョ元副社長に対して航空保安法の航空機航路変更および航空機安全運航阻害暴行、強要、威力業務妨害の容疑で逮捕状を請求した。 また、パク事務長に対して「会社に長く通えないだろう」という趣旨で脅迫し、虚偽の陳述を勧めた疑い(証拠隠滅および強要)でヨ常務の逮捕状もあわせて請求した。2人の令状実質審査は30日午前10時30分にソウル西部地裁で開かれる。