キリスト教界がマルチプレックス映画館に組織的に公文書を送り、大型教会を批判した映画『クオワディス』の上映を中断するよう圧力を加えたことが明らかになった。 クオワディスは「愛の教会」新築問題、「汝矣島(ヨイド)純福音教会」チョ・ヨンギ牧師の脱税・背任問題、「サミル教会」チョン・ビョンウク牧師の性犯罪問題をはじめ大型教会が抱いている世襲と餞別金の問題などを暴いた映画だ。
14日『ハンギョレ』が入手した公文書は、“教会の口”を自任する「韓国教会言論会」が特定キリスト教教団に送ったものだ。 公文書は、「12月初めに映画上映館メガボックス、ロッテシネマ、CGV等で韓国の教会を非難する映画『クォワディス』を上映するという。本会では既に上記上映館に対して映画の上映を中止するよう公文書を送ったが、より多くの宗教界の声が必要なので、重要教団と連合団体もそろって映画の上映中止を要請する必要がある」と書かれている。 韓国教会言論会は一次的に公文書を送り上映中断を圧迫したが、更に大きな力を見せるためには宗教界の“組織的な参加”が必要だと強調する内容だ。公文書には上映中止を圧迫する大型マルチプレックス3社の住所まで記されている。
韓国教会言論会はクオワディスに登場する「愛の教会」のオ・ジョンヒョン牧師の実弟オ・ジョンホ牧師らが理事として登載されており、アンチキリスト教メディアとイシューに対応するために作られた組織として知られている。
実際、クオワディスは10月、封切前の後援者のための巡回上映会の時からマルチプレックスによる突然の試写会取り消しで困難に遭っており、マスコミ試写会の時も突然場所と時間を変えなければならなかった。 マルチプレックスが「教会側から劇場不買運動を行うと圧迫してきたため仕方ない」として難色を示したためだ。 封切直前の今月6日には、愛の教会が「説教映像の無断使用とイメージき損」を理由に、映画の部分削除を要求する内容証明を送って来たこともある。
キム・ジェファン監督は「これまで疑いはしていたが、教会のマルチプレックス映画館圧迫が証拠を伴って明確になった」として「この映画はアンチキリスト教映画ではなく、一部教会の誤った行動を批判する意図で作ったもの」と話した。クオワディスはマルチプレックスではなく芸術映画館を中心に10館程度の封切館を確保して今月10日に封切りした。