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朴槿恵大統領が8日午前、ソウル汝矣島のコンラッドで開かれた第7次世界政策会議で基調演説を行っている。イチョンヨン記者//ハンギョレ新聞社

“ポクスンア(桃)学堂(KBSが放送するお笑い番組)”でもないのに、今は大笑いしている場合でしょうか

珍島犬を召還しろという話ですか?　 本当に哀れな大統領府です

　そんなチラシのような話で揺さぶられる大韓民国が恥ずかしいですって? 　今や大統領は、大統領府監察文書の内容に驚いたり嘆いたりする国民を恥じているのですね。そんなチラシに揺さぶられているからと…。 ここまでくれば、この国の宮中ドラマももうドタバタの域に入っています。 この国の大統領は、なぜ自分の後にちらつく影を覆い隠すために全力を投じるのか?

　昨年8月のことでした。 あなたはユ・ジンリョン長官を呼んで、例のその手帳をいじくりまわしながら、体育局長と課長の名前を挙げて「悪い人だそうだ」と言ったそうですね。 あきれましたが、ユ長官も事態の深刻性を分からないはずもありません。しかし、不意の人事措置が呼び起こす波紋を心配したようです。 当事者はもちろん、文化部の公務員たちが動揺し、またこれらの人々からどんな話が出るかも知れないので、結局これらすべてのことは“大統領に迷惑をかけること”が明らかです。

　伝え聞いた話では、それでユ長官は親交の深い担当首席と相談したといいます。 1、2か月すれば定期人事があるので、その時にしようという話です。 それでこそ目にもつかず、不審に思われることもないので、大統領に及んでくる負担も減らすことが出来るし…。 首席もうなずいたので、そうなるものと思っていましたが、すぐ二日後に大統領府から伝言が来たといいます。 「二人の問題、大統領がどうなったか」と尋ねたということです。 ユ長官としては、すぐに人事措置をせざるを得なかったでしょう。

　みな過ぎたことですが、その時ユ長官の“忠誠に満ちた”判断に従っていたならば、今のような事件が広がることもなく、さらには事件を起こした者の尻尾も捕えられなかったでしょう。 しかし、大統領はチラシの作者よりはるかに汚らしい者から一層汚らしい内容の話を聞いては手帳に書いておき、指示して確認までしました。 あなたはその存在を否認していますが、今国民が知りたいことはまさにそのように言った人のことです。 その者が誰なのかを知りたいのです。

　ところで、大統領は口さえ開けば大統領を補佐する民政秘書室(公職規律チーム)を“チラシ工作所”と卑下しています。 一度ならず、口さえ開けばそちらで生産した監察報告書をゴミだと決め付けています。 しかし、不思議なことに大統領府報道官は、大統領がそんな風にゴミ呼ばわりした民政首席室の報告によって、体育局長・課長に対する人事措置をしたと言って言い逃れています。 これがどういうシチュエーションなのか、大明天地にこのようにでたらめな話をならべてもかまわないとお思いですか?

　これもやはり、きっとその陰湿で凶悪な影を覆い隠すための苦肉の策と考えられますが、この国の大統領は本物か、幻かという疑問を避け難いのです。 大統領を通じて自分のひそかな利害を貫徹する者、そのためにあらゆる無理をすべて行う大統領…。

　あなたは今回も「~と聞きました」という語法を使いました。「悪い人だそうだ」。以前にもそんな語法を使いましたね。 4月16日午後5時15分、セウォル号汎政府対策本部に立ち寄った時もそうでした。 「ライフジャケットを着ていると言うのに、そんなに発見が難しいのですか?」。着ていると言うのに…。 誰がそのような報告をしたのですか。 そういう話を誰から聞きましたか。

　大統領が創作したはずはありません。 安保室や秘書室がそんな報告をした訳もありません。 万一そうだったとすれば、そのために大統領が毎度のように後ろ指を指されているのに放って置くわけにはいかないし、放って置きもしなかったでしょう。 体育局長・課長に対して呆れるような怒りを放つ大統領が、どうしてご自身を一生恥ずかしめたことに対して放っておきましょうか。 しかし、あなたは知らぬフリでやり過ごしました。

　ここからも、その隠さなければならない存在を考えざるを得ないのです。 秘書室や安保室がいくら無能で怠けていたとしても、午後5時頃にはまともな報告くらいはしたでしょう。 300人余りが船内に閉じ込められていますって。 その事実はすでに午後2時頃に確認されたことですから。 ところで、このような秘書室の報告を誰かが縮約して報告する過程で、大統領に誤った情報が入力されたのでなければ、そんなとんでもない話をするわけがありません。 「ライフジャケットを着ているというのに~」今私たちが知りたいのも、そんな風に入力した人のことです。 この話は今もあなたの堕落と無能を告発する幽霊のように飛び交っています。

　大統領府に実力者がいるとするならば珍島犬ですって? 　あなたは「チラシに揺れる大韓民国～」云々する席で、そのように言いました。 その場にいた執権与党の指導部が大統領のこの低質なギャグに腹を抱えて笑ったと言いますが、その時おそらく国民はため息ばかりついていたことでしょう。 今、そんな冗談、それも悲劇を笑い話にする冗談を言っている場合ですか?　 その話に、この国の国政の責任を負った人々が呵呵大笑している場合でしょうか? 　ポクスンア学堂でもないのに。

　この国の最高権力者は大統領です。 大統領に対して実力者という言葉は使いません。 大統領は制度的に国政のすべての事案に対する最終決定権を持っています。 実力者とは、そのような大統領を動かせる人について言う言葉です。

　王朝時代には“ペゲンミッコンサ(寝床訴訟)”という言葉がありました。 ふとんの中で王の考えと心と身を動かすことについて言う言葉でした。 その時の実力者は王の寝室を握っている女性でしょう。 この頃、多くの人に広く知られているいわゆる“門番権力”も同じことです。 大統領執務室のドアのノブをしっっかりつかんでいて、自分たちと気の合う人だけを中に入れたり、自分たちの利益に反する報告書は入れなかったりできる者がいるならば、そして大統領がそうした者を信頼するならば、彼はそれこそ実力者中の実力者になるでしょう。 もちろん立派な決定権者ならば、事理分別が正確で深く清廉で、情報に明るく考える力と判断力を持った人を重用し、彼らの話を楽しんで聞いて判断の参考にするでしょう。 実勢、あるいは実力者とは、いつどの政権にでもいるのです。 あとは、どんな部類が実力者になるかという決定権者の性格と好みと能力にしたがって変わるだけです。

　ところで、あなたは大統領府には実力者などいないと言いました。 いるとすれば珍島犬だけだと言いました。 普通なら大統領府の実力者は秘書室長であるのが当然です。 秘書を全て統轄し大統領を補佐するのに、いったい秘書室長が実力者でなくて何なのでしょうか。 ところが珍島犬ほどにも及ばないんですって? 　本当に気の毒な風景で、実に哀れな大統領府です。

　数日前もあなたは民政首席室の監察文書の内容をゴミだと決め付けて、検察の捜査結果を見守ろうと言いました。 検察はそれがどういう意味なのかよく分かっています。 そういう話をあなたは口さえ開けば強調します。 功名心も強い検察が、公然と蜂の巣をつつくか心配だからでしょう。 それで思ったことなのですが、ひょっとして「珍島犬でも召還して調査しなさい」ということなのではないですか?