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韓国大統領の病「任期末レイムダック症候群」、朴槿恵大統領は就任2年目に…

登録:2014-12-05 08:50 修正:2014-12-05 15:52
チョン・ユンフェ国政介入疑惑の波紋

歴代政権は後半に入りレイムダック化
側近や親戚による利権介入などの不正
チョン・ユンフェVSパク・ジマンは権力闘争
朴大統領の国政スタイルで予告された事態
「代案は公的システムの回復」

歴代政権の側近・親戚・姻戚の国政介入や不正疑惑 (1)。//ハンギョレ新聞社

 民主化以後の歴代政権は常に「政権末症候群」の足かせをかけられた。政権の任期が峠を越す3年目に側近間の権力闘争や親戚の不正などが噴出し、任期末になると「レイムダック」が語られだすのを歴代大統領は例外なしに体験してきた。だが、朴槿恵(パク・クネ)大統領は早くも執権2年目に、弟のパク・ジマン氏と元側近のチョン・ユンフェ氏や“大統領府3人組”の国政介入疑惑が持ち上がり危機に直面している。政界や専門家たちからも「執権2年目のレイムダックはあまりに早い」との反応が寄せられ、朴槿恵大統領の国政運営で予告された“惨事”であるという意見が多く出た。

 過去を振り返ると、政権後半に大統領の親戚や側近が国政介入の疑惑を受けたり権力闘争を行い、政権の基盤を揺るがしてきた。金泳三(キム・ヨンサム)、金大中(キム・デジュン)元大統領は任期末に子息のために苦難を味わった。

 金泳三元大統領の次男ヒョンチョル氏は“秘線”ラインの実力者として君臨し「小統領」と呼ばれた。様々な国政介入疑惑があった彼は『ハンギョレ』の報道でYTN社長人事に介入した容疑が明らかになり、執権5年目の1997年には「韓宝事態」に関与した疑いを受けた。結局、特定犯罪加重処罰法上斡旋収賄と脱税疑惑で拘束された。

 金大中元大統領も任期終了1年前の2002年に「紅参(ホン三)トリオ」と呼ばれた三人の息子(ホンイル、ホンオプ、ホンゴル)が様々な疑獄に関わり疲弊した。ホンオプ氏とホンゴル氏は企業の請託と共に数十億ウォンの金品を受けた容疑で拘束されることもあった。盧武鉉(ノ・ムヒョン)、李明博(イ・ミョンバク)元職大統領の場合、実兄のノ・ゴンピョン氏とイ・サンドク議員が任期末または任期後に不正容疑で拘束された。

 だが、現在のチョン・ユンフェ氏とパク・ジマン氏の対立構図は利権介入などの腐敗事件ではなく権力闘争の様相を帯びている。チェ・チャンニョル龍仁大学教授(政治学)は「秘線ラインが国政運営に介入する様相は似ているが、歴代政権が主に腐敗事件に関与したとすれば、最近の問題は権力闘争であり、過去とは異なりあまりに早く現れた」と指摘した。

 盧武鉉政権と李明博政権でも側近による権力闘争は起きたが、彼らは国政運営システムを任されるなど、一つの軸をなしていた。今回のように“民間人”の間で権力闘争が起きたのは珍しい。盧武鉉政権で大統領府国政状況室長だったイ・クァンジェ元江原道知事が国政運営を左右する実力者とされ、様々な疑惑に苦しめられた。韓米自由貿易協定(FTA)をむぐる大統領府内部の“路線闘争”も起きた。李明博政権でもイ・サンドク元議員とチョン・ドゥオン セヌリ党議員の権力闘争が国会を舞台になされた。

歴代政権の側近・親戚・姻戚の国政介入や不正疑惑 (2)。//ハンギョレ新聞社

 政界ならびに専門家らは「朴槿恵ネ大統領の国政運営スタイルで予告されたこと」と口をそろえた。国政運営の中心軸をなす要人がいつでも問題を起こしてきたし、その度に常に“秘線ライン介入”の問題が起きた。公式システムが排除されるから秘線問題が浮び上がってくるのだ。

 イ・チョルヒ トゥムン政治戦略研究所所長は「大統領制は大統領のリーダーシップのスタイルによって成否が分かれるため、今起きている問題は朴槿恵大統領の国政運営スタイル上、予告されたことだった」として「政権初期から人事問題が足かせになっていたし、政権内部で互いを非難する様相にまでなり、こうした問題点が早く出てきた」と指摘した。

 これに対する代案は公的システムを通した国政運営にあると専門家たちは話す。盧武鉉政権で大統領府秘書官だったある政界関係者は「当時も首席や秘書官の発言権が強かったのは事実だが、中央人事委員会や関連首席室の検証を経て人事や政策に反映されるシステムがあった」として「今の大統領府では公的組織ではなく側近の実力者に行き過ぎた力が与えられたため、システム自体が作動していないようだ」と話した。チェ・チャンニョル教授も「政府部署の長官より大統領府秘書室により大きな権力が集中したのが問題」として「朴槿恵大統領の権力運用方式の変化が必要な時期にきた」と指摘した。

イ・スンジュン記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr )

韓国語原文入力:2014.12.04 23:11 

https://www.hani.co.kr/arti/politics/politics_general/667587.html 訳Y.B

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