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非正規雇用に重点を移す民主労総

登録:2014-11-24 01:28 修正:2014-11-25 07:21
民主労総委員長候補らが23日午前、ソウル麻浦区合井洞の「国民カフェ」で開かれた「民主労総第8期委員長・首席副委員長・事務総長直接選挙、報道機関合同候補討論会」を終え、手を取り合って善戦を誓っている。シン・ソヨン記者//ハンギョレ新聞社

「初の直選制」で民主労総報道機関合同討論会
候補者たち全員が非正規職問題の深刻さに共感
差別撤廃法制定・世代別組織化
組合費引き上げで闘争費用の用意も提案
来年の一斉ストライキについては意見が交錯

 全国民主労働組合総連盟(民主労総)の初の直選制指導部選挙(12月3~9日)を10日後に控えた23日、報道機関合同討論会が開かれた。 来年20歳を迎える民主労総の初の直選制選挙の最大のテーマは「非正規職労働者の組織化」と「対政府闘争」だ。

 この日、ソウル合井(ハプチョン)洞の「国民カフェ」で午前10時から2時間以上にわたり進行された討論会で最も多く出た質問は非正規職問題だ。サムスン電子サービス、C&M、SKブロードバンド、LGU+の協力業者の設置・修理非正規職労働者、学校非正規職、清掃労働者など、各種の非正規労働の問題が深刻な状況で、未組織・非正規職労働者の組織化および闘争方案、正規職・非正規職の連帯方案など、多様な質問が多く出てきた。

 出馬した候補者4チームは全て民主労総を大企業・正規職労働者中心から未組織・非正規職労働者中心に切り替えなければならないということに共感し、人材養成、法案用意、財政支援などの対策を出した。 登録番号1番のチョン・ヨンゴン委員長候補は「非正規職問題を解決せずには一歩も前進できないので、公共・サービス分野非正規職の組織化とともに、非正規職差別撤廃法の制定に乗り出す」と明らかにした。

 登録番号2番のハン・サンギュン委員長候補は「学校非正規職の組織化、C&M正規職・非正規職の連帯など、成功事例を教訓にして青年・移住・老年・アルバイト労働者まで組織化の幅を広げなければならない」と話した。

 3番のホ・ヨング委員長候補は「組合費の基準を通常賃金基本給の1%から賃金総額の1%に変え、追加で発生する資金で非正規労働者の組織化と闘争の物的土台を用意する」と明らかにした。

 4番のチョン・ジェファン委員長候補は「民主労総運動20年余りの間、正規職から非正規職に土台が変わったが、組合員は非正規職中心に変わっていない。 地域・産別組織を強化して、世代・階層別のオーダーメード組織化事業で100万非正規職の組織化時代を切り拓かなければならない」と話した。

 朴槿恵(パク・クネ)政権になって全教組法外労組化、鉄道労組ストライキ時の民主労総への公権力投入など、労・政関係が悪化した状況で公共部門私営化、公務員年金制度改編などの懸案とかみ合わさって対政府闘争方案が争点に浮上した。 候補者たちは対政府闘争の重要性を強調しながらも、方法については違いを見せた。

 ハン・サンギュン、ホ・ヨング候補者は、来年一斉ストライキで対政府闘争を強化すると明らかにした。 ハン候補者は「総選挙・大統領選挙で我々の問題を我々の主道で解決できる力があるかを冷静に見なければならない」として「労働基本権・公務員年金改悪、公企業民営化と関連して2015年一斉ストライキで闘争動力を結集させる」と話した。

 ホ候補者も「闘争本部を設置し、来年上半期賃金・団体協約交渉時期から集中して闘争する」として「公共部門の社会化・最低賃金・特殊雇用労働者保護など、各種制度改善のために来年定期国会時に一斉ストライキを組織する」と明らかにした。

 チョン・ヨンゴン、チョン・ジェファン候補者は、来年の一斉ストライキ計画の現実性に疑問を投じ、代わりに民主労総の基盤を広げ、段階的に接近するという方針を出した。 チョン候補者は「社会連帯戦略で支持基盤を広げる」として「労働基本権と社会連帯戦略を結合して、2016年定期国会で社会安全網関連法を通過させ、2017年の大統領選挙に労働者の力を結集させる」と話した。 チョン候補者も「毎年一斉ストライキを宣言したが、うまくいかなかった。 準備された闘争が必要だ」として「2015年公共部門民営化総力闘争本部を設置し、労働基本権に関連した内容も作り、2016、2017年闘争を準備する」と明らかにした。

 2008年の民主労働党分党以後、むしろ状況が悪化している労働者の政治勢力化、および進歩大統合と関連しても意見が交錯した。チョン・ジェファン、チョン・ヨンゴン候補者は、民主労総が進歩政治勢力の統合に積極的に取り組まなければならないとしたが、ホ・ヨング、ハン・サンギュン候補者は、それは容易ではないと考える。チョン候補者は「民主労総が中心に立って進歩政治を再確立しないならば、声をそろえて闘争することは困難だ」とし、チョン候補者は「進歩政党の統合は可能だ。当選すれば統合を提案する」と話した。

 反面、ホ候補者は「党を統合するほどの力はないので、現場労働者の政治教育から強化しなければならない」とし、ハン候補者は「現在の条件では社会的イシューを先行獲得する進歩政治動力を再び手にするには執行力が不足している」と指摘した。

 労使政委員会への参加の有無については、4人の候補者全員「労働者の譲歩を前提とした席には出て行かない」とし、当面は参加の意向がないことを明確にした。

 民主労総は15日に1次生中継討論会、この日の報道機関討論会、29日の2次生中継討論会など3度の討論会を経て、12月3~9日にすべての組合員が参加する史上初の直選制投票を行う。 最多得票候補者が投票参加者の過半数の支持を得られなければ、1、2位の候補者で2次決選投票が行われる。 1次投票率が50%未満なら再選挙が行われる。

キム・ミンギョン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/society/labor/665763.html 韓国語原文入力:2014/11/23 22:08
訳J.S(2547字)

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