鳩山由紀夫元日本首相(写真)は19日、「安倍政権が政治的動機で環太平洋経済パートナーシップ協定(TPP)を優先視し、韓中日間の自由貿易協定(FTA)が遅滞しているのは、日本の国益に害を及ぼすだろう」と話した。
鳩山元首相はこの日、釜山のパラダイスホテルで開かれたハンギョレ釜山国際シンポジウムでの基調演説を通じて、「先週北京で開かれたアジア太平洋経済協力会議(APEC)で、韓中FTAが実質的に妥結したことは望ましいこと」と明らかにし「韓中日FTA交渉を積極的に推進し、これを経済的統合を形成しつつあるアセアン+3の経済共同体へと発展させて行く必要がある」と話した。 彼は特に「日本が高度資本財、韓国は中間財、中国は消費財という分業体系を基に、一つのからだのように有機的に連結することにより韓中日FTAを積極的に推進しなければならないと強調した。
続けて、チョン・ウイファ国会議長は「北東アジア平和発展の道、義をもって和を成し遂げよう」という特別演説を通じ、「アジア諸国は政治指導者間の交流と虚心坦壊な対話を粘り強く行わなければならない」としてこれを通じて信頼を積み重ね安定と平和の和を成し遂げることが“アジアが主導する新しいアジアを実現する道”になると話した。
東アジア共同体研究所理事長を務めている鳩山元首相は、2009年に54年ぶりの政権交替を実現し、民主党政権の初代総理を務めたが、沖縄の米軍基地移転問題などを巡る論議の末に就任9か月で辞任した。
彼はこの日、「葛藤が高まるアジア、どのように平和秩序を作るか」と題した演説で、安倍政権が「時代に逆行する政策を続けている」と批判した。 自身が首相だった時代には「韓日、中日ともに良好な関係にあったことに照らしてみれば、主に日本側に問題があると考えなければならない」と付け加えた。 彼は「中国の浮上を威嚇と見なせば、それ自体が威嚇になる」とも話した。
鳩山元首相はその後の円卓討論で、朴槿惠(パク・クネ)大統領の韓中日3国首脳会談提案を“良い提案”であるとし、できるだけ早く会談が開催されるよう互いに努力を傾けることを促した。ソン・ミンスン元外交通商部長官は「虎とライオンは一つの檻では生きられない」という比喩で、米中関係の葛藤と対決は避けられないとしながらも、韓国と日本がどんな役割をするかによりこの地域の秩序が協力と共存の方向に進むことができると話した。
今年10回目を迎えたハンギョレ釜山シンポジウムは「アジアが主導する新しいアジアは可能か」という主題の下、鳩山元首相の基調演説に続き円卓討論を通じて韓米同盟、米中関係、韓日歴史問題など主要懸案を議論した。 引き続き韓中日三か国の学者、専門家、平和運動団体の活動家が参加した中で二つのセッションで「歴史談論的観点から見た東アジア100年の平和思想」、「北東アジアの軍事的緊張緩和方案と韓国の役割」という主題の発表と討論があった。
ハンギョレ統一文化財団と釜山広域市が共同主催してきたハンギョレ釜山国際シンポジウムは、2005年釜山で開かれたAPEC首脳会議を機に北東アジアの連帯と統合、平和のための新しい秩序を模索する論議の場として出発した。