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脱北者団体が抱川でビラ100万枚散布…警察は今回も傍観

登録:2014-10-31 21:13 修正:2014-11-01 07:57
31日未明に非公開で風船に吊して飛ばす
現場に出動した軍と警察は団体代表の身辺保護のみ
北朝鮮向けビラ飛ばし国民連合など北朝鮮に向けてビラを飛ばそうとしている保守団体会員たち(左の車両側の人々)と、これを阻もうとしている坡州地域の住民・進歩団体会員たちが25日午前、京畿道坡州市臨津閣入り口で警察を間に挟んで対峙している。//ハンギョレ新聞社

 脱北者団体が31日未明、京畿道抱川から非公開で北朝鮮向けビラを飛ばした。 警察はこの事実を事前に把握し、現場にいたがビラ散布を傍観していた。

 イ・ミンボク北韓同胞直接支援運動代表は31日「昨日夜10時頃、ビラ散布場所に到着し、準備をして本日0時半から午前2時半まで非公開でビラを飛ばした」として「風船33個にビラを100万枚程度を入れて飛ばした」と話した。 イ代表がビラを散布した場所は、京畿道抱川(ポチョン)蒼水(チャンス)面 姑蘇城(コソソン)里の道路で、休戦ラインまでは20キロ程度離れている。 彼らが散布したビラには、北朝鮮の3代世襲に対する批判と朝鮮戦争に関する内容などが含まれている。 これまでもイ代表は「ビラは北韓同胞に真実を知らせる唯一の手段」とし、予告せずにビラを飛ばしてきた。

脱北者団体の自由北韓運動連合会員らが10日午前、京畿道坡州市の統一トンサン駐車場で対北宣伝ビラの風船を飛ばしている。坡州/ぱく・ジョンシク記者//ハンギョレ新聞社

 この日警察は事前にビラ散布の事実を知り、軍と共に現場に出動したが、イ代表がビラ風船を飛ばすことを制止しなかった。 警察はイ代表の身辺保護を理由に身辺保護官3人を24時間同行させている。 イ・ミンボク代表は「警察と軍など車両約10台が出動し、ビラ散布現場に留まっていた」として「しかし、彼らは私のビラ散布を遮りはしなかった」と話した。

 京畿道抱川警察署情報部署担当者は「今日明け方、警察と軍機務司などが出動した」として「夜明けにビラを散布したので止めなかった」と話した。 彼は地域住民たちもビラ散布に反対しているという質問に「反対が激しい坡州や漣川(ヨンチョン)とは雰囲気が若干違う」と話した。

 警察のこのような態度は、ビラ散布を阻まないという政府の立場を改めて確認したものだ。 これに先立って25日、京畿道坡州の臨津閣(イムジンガク)でビラ散布を巡って極右保守団体と地域住民および進歩団体が衝突した時も、警察は団体間の衝突を防ぐだけでビラ散布自体は制止しなかった。 朴槿恵大統領も28日、金大中元大統領の夫人イ・ヒホ氏が「ビラ散布を防いでほしい」と要請すると「取り締まる実定法がない」と話したという。

 ビラを巡る南北葛藤も一層激化するものと見られる。 最近、北朝鮮は韓国に「ビラか対話か選択せよ」という立場を取り、韓国は「民間団体の活動を阻むことはできない」という立場を守ってきた。 これによって第2回南北高位級接触の30日開催も失敗に終わった。

 ビラ散布に対する政府の消極的で二重的な態度に対する批判が出ている。朴槿恵政権は朝鮮半島信頼プロセスを前面に掲げながら、ビラ問題に対しては李明博政権時より放任する態度を見せている。 例えば、李明博政権時期の2012年にはビラ散布が南北関係を害し住民の安全を脅かすとして臨津閣から数キロ離れた進入路を遮断するなど、ビラ遮断に積極的な姿を見せた。 反面、最近警察は航空法を根拠に上げ、飛行禁止区域であるソウル光化門(クァンファムン)広場で風船を飛ばせないようにしたが、同じ飛行禁止区域である休戦ライン付近で行う風船飛ばしはほう助している。 17日に公開された韓国ギャラップの世論調査では、ビラ散布に反対するという意見が58%で、賛成意見32%よりはるかに高かった。

チェ・ヒョンジュン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/politics/defense/662346.html 韓国語原文入力:2014/10/31 11:31
訳J.S(1663字)

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