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北朝鮮向けビラ散布を地域住民や進歩団体が阻止

登録:2014-10-25 23:37 修正:2014-10-27 05:31
保守団体が臨津閣でビラ風船を奪われ計画失敗
両団体は対峙し続けたが結局ビラは場所を移して散布された
北朝鮮向けビラ送り国民連合、および保守団体会員らが25日午後、京畿道坡州市炭県面の烏頭山統一展望台近隣で‘北朝鮮向けビラ飛ばし’を阻止した坡州市民団体会員の首を締めている。坡州/キム・ミョンジン記者//ハンギョレ新聞社

 京畿道坡州(パジュ)の臨津閣(イムジンガク)で地域住民たちの阻止により北朝鮮向けビラを飛ばせなかった保守団体は結局、京畿道金浦(キンポ)に移動してビラを散布した。 パク・サンハク自由北韓運動連合代表などの保守団体会員7人は25日午後7時20分頃、金浦市月串(ウォルゴッ)面のある山から北朝鮮向けビラ2万枚を風船に吊り下げ北朝鮮に向けて飛ばしたと明らかにした。

 北朝鮮向けビラの散布を巡り、両陣営は午前から終日対峙した。 北朝鮮向けビラ送り国民連合(北朝鮮向けビラ連合)等の保守団体が25日、京畿道坡州市の臨津閣で北朝鮮向けビラ飛ばしを計画し、この一帯はビラを飛ばそうとする保守団体会員らとこれを阻止しようとする民主回復坡州市民連帯、龍仁(ヨンイン)青年会など地域住民および進歩団体会員の対立状況が広がった。

 臨津閣から坡州市炭県(タンヒョン)面のある公園に場所を移動して北朝鮮向けビラを散布しようとしていた保守団体の行動は、地域住民と進歩団体会員たちの阻止により午後6時10分頃には一段落するかに見えた。 だが、一部の保守団体会員は、北朝鮮向けビラの散布に強い意志を見せ、結局金浦に移動してビラ風船を飛ばした。 ビラには北朝鮮の3代世襲を批判する内容が書かれていた。

 この日の衝突は、前日に北朝鮮向けビラ10万枚余を散布すると公表していたチェ・ウウォン釜山大学哲学科教授とパク・サンハク自由北韓運動連合代表など保守団体会員30人余りを乗せたバスが臨津閣に到着した午前11時40分頃に極まった。保守団体会員らがバスの窓の隙間から水を浴びせると、地域住民たちが卵を投擲するなど激昂した様相を見せた。

 バスが到着する直前の午前11時20分頃、北朝鮮向けビラの散布に反対する人々が、北朝鮮向けビラと風船、水素ガスボンベが積んであるバスからビラと風船を取り出し風船を刃物で破り、ビラを道路脇の草むらに捨てた。 ビラを散布しようとしていたパク・ジョンソプ大韓民国救国チャンネル代表は「これが民主進歩勢力と言われる人々の実体だ。 彼らは民主や進歩ではなく、暴力を自任する左翼従北勢力だ。我々はこれに屈せず必ずビラを飛ばす」として反発した。

 ビラを飛ばそうとする人々と、これを阻止しようとする人々の長い対峙は臨津閣と坡州地域で4時間ほど続いた。 臨津閣で捨てられたビラを回収した保守団体会員らは、午後4時20分頃に臨津閣を出発し京畿道坡州市炭県面の必勝路近隣のある公園へ向かった。 彼らはここで再びビラを飛ばそうとしたが、地域住民および進歩団体会員はこれを再び阻止した。 この過程で、両陣営間の一部の人々による小競合いが起き、ビラ散布に反対する人々はビラを奪って燃やすこともあった。

 この日、北朝鮮向けビラの散布を阻むために出てきた地域住民と進歩団体会員たちは、口をそろえて「戦争を起こすつもりか」と保守団体の行動を非難した。

北朝鮮向けビラ飛ばし国民連合などの保守団体会員らが、北朝鮮向けビラ飛ばしを試みた25日午前、京畿道坡州市の臨津閣で、民間人統制線内の住民たちが北朝鮮向けビラの散布を阻むためにトラクターで道を遮っている。 坡州/キム・ミョンジン記者//ハンギョレ新聞社

 統一運動団体の会員だと明らかにしたキム氏(42)は「南北間の軍事的対峙状況に火を点けて、臨津閣周辺居住民の安全を脅かすビラ飛ばしは中断しなければならない」と話した。 坡州に住む6.25(朝鮮戦争)の参戦勇士パク氏(81)は「弾丸が落ちればここに暮らしている人が皆死ぬ。 私が命を捧げて国のために戦って、平和な世の中がやっと来たのに再び戦争を起こそうというのか」と声を荒げた。 坡州でコメ作りをしているというある農民(65)も「農民が農作業もせずにここでビラを阻んでいるのは何のためだと思っているのか。 今、刈りいれで一番忙しい時期なのに、仕事も出来やしない」と怒った。 坡州時局会議の会員たちは前日から、保守団体がビラを飛ばすと予告した臨津閣望拝壇付近でテントを張って徹夜座り込みを行った。 一部の農民はトラクターで臨津閣への進入路を塞ぎもした。

 開城(ケソン)工業団地企業協会もこの日、臨津閣で「朝鮮半島の平和と南北関係の改善を害する北朝鮮向けビラ散布を中断せよ」と訴えた。 イ・ヒゴン開城工業団地企業協会首席副会長は「北朝鮮向けビラを飛ばすたびに、バイヤーが不安におびえて物品の注文を減らす。 北朝鮮向けビラが開城工業団地企業家の工場稼動率に途方もない影響を与えている」と話した。

北朝鮮向けビラ飛ばし連合チェ・ウウォン代表が25日午前、京畿道坡州市の臨津閣入り口で民主回復坡州市民連帯、龍仁青年会など北朝鮮向けビラ散布に反対する会員たちが防ぎ立って、マイクをつかんで激しく抗議している。 坡州/キム・ミョンジン記者//ハンギョレ新聞社

 このような反対世論にもかかわらず、保守団体は「今後もビラ散布を行う」と明らかにした。 チェ・ウウォン釜山大学教授は「(臨津閣に)人々がこれほどたくさん集まったことが、北朝鮮向けビラがどれほど恐ろしいかということを証言している。 北朝鮮向けビラが北朝鮮全域を覆う日に、金正恩政権は終末を迎えるだろう」と話した。 ミン・ヨンギ自由民主守護連合代表は「大韓民国の自由を北朝鮮の同胞に伝えることに何の誤りがあるか。 坡州市民は皆さんの故郷より大韓民国の自由守護が重要だということを自覚しなければならない」と主張した。 パク・サンハク代表は「正義を見せるために今日のビラ散布を敢行した。 今後もビラ散布は継続する」と明らかにした。

 警察はこの日、14個中隊1200人余りの人員を臨津閣に配置し、進歩・保守団体会員間の衝突に備えた。 この日、両陣営ともに警察に激しく抗議した。 保守団体のある女性会員は「大韓民国の警察がビラを強奪されても黙って見ていて許されるのか。 本当に大韓民国の警察なのか。 アカの警察じゃないのか」と怒った。 進歩団体の会員たちも警察がバスの進入を阻んだ市民に対して道をあけろと言ったことに対して「あの人々に行けと言わないのか。どうして市民に向かって道をあけろと言うのか。 平和を守らなければならない警察が、そんなことをしていいのか」と不満を表わした。

坡州/イ・ジェウク、イム・ジソン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/661382.html 韓国語原文入力:2014/10/25 21:06
訳J.S(2976字)

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