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高まる韓国の雇用不安「就職でもっとも重視するのは職業安定」

登録:2014-10-28 07:49 修正:2014-10-28 17:05
年度別職業価値観の調査結果、 //ハンギョレ新聞社

労働者3148人に対する職業価値観調査
安定性>余裕>成就>金銭補償の順
10年前は成就が1位、安定性3位

 韓国人が同じ職場に留まる期間はどれほどになるのか。今年5月に出された統計庁の経済活動人口調査の結果によれ「平均5年8か月」だ。だが、現実に体感する職業安定性は統計数値より明らかに低下する。数か月から2年までの雇用期間を定めた期間制就業は言うまでももなく、労働法の規律から漏れた各種特別雇用形態の就業があふれている世の中だ。全体の労働者の46%が非正規雇用である奇形的な雇用構造はすでに日常化した。今の産業界を支配するイデオロギーは、仕事はさせるが雇用責任は負わない「有労働無責任」だ。労働者が就業のもっとも大きな価値観として安定性を選ばないほうがおかしい。

 韓国雇用情報院が27日に発表した職業価値観調査結果によると、就業者が職業を選択する際に最も重要だと考える要素は「職業安定性」だった。今年7~8月に全国の105の職業別労働者3148人を対象に、雇用情報院が運営する就業情報サイト「ワークネット(work.go.kr)」でオンライン集票調査を行った結果、職業安定は3.78点(5点標準基準)を得て2位、「体と心の余裕」(3.77点)を僅差で抜いて1位となった。

 2004年に同じ調査を行った時は職業安定は3位だった。「体と心の余裕」は10年前も2位だった。当時1位dat「成就」は今回の調査で3位(3.64点)に下がった。10年間に韓国労働者の雇用不安定がどれほど深刻になったかを傍証する変化といえる。

「金銭的補償」(3.63点)と「認定」(3.50点)が後に続き4、5位を占めた。金銭的補償は10年前は7位だったが、今回は4位に上がり重要な価値観に浮上した。お金と成就感、周辺の人々に認められるのも重要だが、労働者は自分の就業が安定するのをなにより望んでいるわけだ。

 年齢帯別で見ても職業安定は20代を除いたすべての年齢層で職業価値観1位を占めた。 20代はからだと心の余裕が職業安定より重要だと答えた。職業安定は20代で3.72点を得て30代(3.77点)→40代(3.82点)→50代(3.83点)とますます重要度が高まった。

 調査をした雇用情報院のイ・ヒョナム専任研究員は「契約職などの非正規雇用が増えて定年は保障されず、40~50代の早期退職が増加するなど、雇用環境の変化で求職者が過去に比べて安定性を重要に思う傾向が明確に現れている」として「企業と政府は雇用安定と定年保障、仕事と家庭の両立が可能な勤労環境造成などのために努力しなければならない」と注文した。

チョン・チョンフィ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )

韓国語原文入力:2014.10.27 21:39 

https://www.hani.co.kr/arti/society/labor/661630.html 訳Y.B(1054字)

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