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不安な韓国にグッドバイ! 高学歴者の北欧移民が急増

登録:2014-08-27 00:43 修正:2014-08-27 08:16
//ハンギョレ新聞社

幸福指数高く、貧富格差が少ない
30~40代の高学歴・専門職 急増
「セウォル号事故後に相談者が倍増」

 ソン氏(34)は10月に「デンマーク人」になる。1年ほどの準備の末、同じ年の妻と昨年生まれたばかりの子供と一緒に移民することにした。当面は3年間滞在可能なビザ(グリーンカード)を得たが、就職して腰を据えれば永住権も入手する計画だ。大企業の正規職である彼が母国を去る理由はなにか。

「韓国では50歳になれば会社を辞めなければならないが、デンマークでは60歳を過ぎても仕事ができると言います。スウェーデンに暮す友達の話を聞くと、北ヨーロッパでは既婚女性の就業率が80%以上で、むしろ仕事をしないとおかしいと思われるとのことです。妻も仕事を続けたいと考えているが、韓国では難しいでしょう。子供を育てるのにも良さそうだし」

ソン氏の移民決意の理由は尽きなかった。

 福祉国家として知られる北ヨーロッパの国々へ移民する30、40代が急速に増えている。「福祉ショッピング」を目的とする「貧しいヨーロッパ移民者」に対する反感が強い北ヨーロッパでも、高学歴・専門職の移民は相対的に歓迎する傾向だ。

 韓国外交部の「在外同胞現況」の統計によると、2013年にデンマークに暮らす在外同胞は、2011年に比べ83.6%(293人から538人)も増えた。ソン氏一家のように永住権獲得や自営業などを目的に長期滞留する「一般滞留者」の割合が3倍(120人から358人)近く増加したためだ。オランダでは「留学滞留者」が3.6倍(253人から903人)も増えた。

外交部領事サービス課の関係者は25日、「ヨーロッパはすぐに移民可能ではなく、就業や留学をした後に、現地で永住権を獲得するケースが多い」と語った。オランダの場合、永住権者も2年間で38.9%(614人から853人)も増加した。ノルウェー永住権者は26%(144人から182人)増えた。

 これらの国家は2012年の大統領選挙当時、福祉国家議論が巻き起こった際に「ロ-ルモデル」とされた国々だ。在韓デンマーク大使館の領事課関係者は「幸福指数が高く、貧富格差が大きくない国という期待を持って、問い合わせする人が多い」と話した。

 会員が約4万6000人いるあるポータルサイトの移民カフェには、一日に4~5件ずつ北ヨーロッパ移民に関する質問が上っている。専門職種に有利なデンマークの技術移民や、7000万~1億ウォン(1ウォンは約0.1円)くらいの財政保証をする場合に許可が得られるスウェーデン事業移民に関する質問が多い。移民法律諮問を行っているユ・ヨングン弁護士は「アメリカは非熟練労動者も移民として受け入れてくれるので学歴や英語点数を見ない。しかし、北ヨーロッパは医師や工学博士など専門職にとっては容易だ」と話した。

 これとは逆にアメリカに生活の場を移す人々の増加傾向は止まった。外交部統計によると、アメリカのシアトルは在外同胞が1.8%減った。ソン氏も移民を模索した際、「伝統の移民大国」アメリカはひとまず排除した。ソン氏は「学生時代、交換留学生として6か月ほどアメリカにいた。貧富の格差がひどすぎ、熱心に働いてもそれだけの補償を受けられないのは、アメリカも韓国とまったく同じだ」と言った。最近、ソン氏にはデンマーク移民の方法を訊いてくる知人たちからの連絡が絶えない。「若い人々が特に羨ましがっている」と話した。

 移民カフェを運営するセミ・リ氏(42)は「もともとアメリカ、カナダ、オーストラリア移民のコンサルティングを主に行っていたが、最近はコンサルティングの半分ほどがヨーロッパ側に移った」と語り、「セウォル号事件以後に相談者が2倍以上増えた。韓国社会に対する失望感のため移民を実行に移す人も多い」と打ち明ける。

チン・ミョンソン記者 torani@hani.co.kr

https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/652699.html 韓国語原文入力:2014/08/26 11:21
訳M.S(1719字)