今年、京畿道(キョンギド)のある特性化高校を卒業して食堂でアルバイトをしているイ・ミニョン(仮名・18)氏は、最近賃金未払い問題で悩み友人の紹介で青少年ユニオンを訪ねることになった。 「労組だと言うので、最初は怖かったです。 真っ赤な鉢巻きをしたおじさんがいっぱいいるんだと思いました。」 イ氏の心配は即座に消えた。彼がドアを開けて入ったソウル永登浦洞(ヨンドンポドン)の労組事務室には皆同じ年頃の青少年が集まっていた。 イ氏は団体が紹介した労務士から法律助言を聞いた。 「初めは週休手当てが何かも知らなかった。労働法は学校であらまし教育して済ませて、内容も分からなかったんです。 このような同じ年頃の労組が拡大すれば、私のような特性化高校卒業生のように早く就職する友人に役立つと思います。」 まだあどけない声のイ氏は、初めて接した労働組合のことを不思議そうに話した。
満15~24才の青少年だけを組合員とする青少年ユニオンが、5日ソウル地方雇用労働庁南部支庁に正式に労働組合設立申告書を提出した。 青少年ユニオンは昨年申告証を受け取った青年ユニオンと老年ユニオンに続き‘世代別労組’を標ぼうする3番目の労働組合だ。 組合員は現在24人で、ほとんどが高卒就業者および求職者だ。 青少年ユニオンは、青年ユニオンの青少年事業チームが拡大分離して作られた。
青少年ユニオンのキム・ジョンハ委員長は「今後、特性化高校の現場実習生およびアルバイト青少年の労働権問題を集中的に扱って、高校生たちの労働人権教育を強化する運動も繰り広げる予定」と明らかにした。 39才までが加入条件である青年ユニオンは、青年層に集中しており、高卒就業者およびアルバイト学生たちの労働人権は青少年ユニオンが専門担当するという趣旨だ。
青少年ユニオンや青年ユニオン、老年ユニオンのような世代別労組は、各事業場の正規職を中心に作られた既存労組運動の手が届かない‘労働死角地帯’から芽生えた団体だ。 キム・ヨンギョン青年ユニオン初代委員長は「どこにも属せなかった周辺部の労働者が集まった労働組合だった」と2010年設立当時の状況を説明した。
青年・青少年たちを労組に結集しようとした社会的背景は青年失業だ。去る1月時点で15~29才の青年失業率は8.7%だが、青年たちが感じる体感失業率はさらに高い。彼らの働き口自体が時間制・短期契約職・インターン制など非正規職と失職を行き来するためだ。 既存労働組合が彼らを受け入れ抱えるには根本的な限界がある。 キム・ミンス青年ユニオン委員長は 「変動が深刻化された働き口構造の最大被害者である青年求職者には、所属している事業場自体がない。 企業や産業別に組織された既存労組には、接近自体が難しい」と話した。
老年ユニオンも同じだ。 平均寿命が増えることにより働き口が必要な老人は急激に増加して、各種福祉制度に対する老人層の声を受け止める器が必要だった。 老年ユニオンのコ・ヒョンジョン事務局長は「ほとんどの組合員は退職後の老後所得と医療費を心配している方々だ。 組合政策の目標も基礎老齢年金改正など老人福祉に焦点を合わせている。 政治的には保守的な組合員が多いが、福祉問題に関しては合理的な方々だ」と話した。
労働専門家たちは世代別労組の出現が非正規職の量産など、ますます劣悪化する雇用状況が引き起した自然な結果だと見る。 雇用の質が低下する中で労働関係法の死角地帯に立たされた労働者が生まれ、それが青年・老年層に集中しているので、その人々を代弁する労組ができたということだ。 ウ・ムンスク全国民主労働組合総連盟非正規戦略本部局長は「劣悪な労働環境により正当な労働条件を保証され難い世代の団結が切実に要求されたと見られる」と話した。
もちろん、世代別労組運動の限界を指摘する意見もある。参与連帯労働社会委員長であるイム・サンフン漢陽大教授(経営学)は「同じ年齢といっても学歴、住む所、経済的な条件、職業など色々な変数により多様な声が存在するので、彼らを持続的に結びつけるには限界がある。 労働者の連帯のためには非正規職など労働イシュー別フレームを組んで組織することが望ましい」と助言した。
イ・ジョングク記者 jglee@hani.co.kr