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米ミサイル防御システムに組み込まれる韓国

登録:2014-10-07 21:22 修正:2014-10-08 08:01
韓米のミサイル防御(MD)に対し北朝鮮はミサイル対応を推進
ハン・ミング国防部長官「THAAD配置が安保に役立つ」
7日午前、ソウル龍山区の国防部庁舎で開かれた国会国防委員会国政監査で、イ・ジェガク国軍機務司令官(2列目の左端)など、軍の主要指揮官が議員の質問を聞いている。 イ・ジョンウ先任記者//ハンギョレ新聞社

 韓米の軍当局が有事の際に米国のミサイル防御(MD)システムまで動員して、北朝鮮の弾道ミサイルの威嚇に共同で対応する作戦計画を樹立中であるのが7日明らかになった。 その場合、韓国軍と米国のミサイル防御システムがより一層密着せざるをえず“ミサイル防御システム編入”論議が一層高まるものと予想される。

 国防部はこの日、国会国防委員会の国政監査業務報告で、北朝鮮の核・ミサイルの威嚇と関連して、「韓米共同の“オーダーメード型抑制戦略”履行システムを具体化するために努力している」として「(韓米)同盟の包括的ミサイル対応能力の発展を推進している」と明らかにした。 国防部はまた、このために「同盟の包括的ミサイル対応作戦概念および原則を確立するだろう」と付け加えた。

 政府消息筋はこれと関連して「今月末に開かれる韓米安保例年協議会議(SCM)でこれらの概念および原則を確立すれば、次の段階でこれを来年までに作戦計画へと発展させる計画であると理解している」と話した。 韓米の軍当局が推進する包括的共同対応は、韓国が2020年代初期を目標に構築中の韓国型ミサイル防御(KAMD)と朝鮮半島を対象にする米軍のミサイル防御(MD)などすべての使用可能な戦略資産を包括的に動員し、北朝鮮のミサイル威嚇を抑制する概念だという。

 これに先立ち韓米軍当局は2012年に「ミサイル対応能力委員会」(CMCC)を設置し、北朝鮮のミサイル威嚇に対する共同対応方案を模索してきた。 またカーティス・スカパロッティ韓米連合司令官は昨年10月「ミサイル対応能力委員会で防御(Defence)、探知(Detect)、瓦解(Destruct)、破壊(Destroying)を意味する“4D戦略”を樹立した」と紹介した経緯がある。 韓米はまた、昨年第45次韓米安保協議会(SCM)で、北朝鮮の核とミサイル威嚇に対応するためのオーダーメード型抑制戦略に合意した経緯がある。 韓国軍当局者は「今回推進する韓米の包括的ミサイル対応概念および原則の確立は、昨年合意したオーダーメード型抑制戦略を具体化する作業」と話した。

 しかし、これは北朝鮮ミサイルの探知から迎撃までの一連の過程に韓米のミサイル防御が“相互運用性”をもって互いに関連して運用されるという点で、韓国がアメリカのミサイル防御体系に一層深く編入されることを意味する。 これと関連して軍消息筋は「米国のミサイル防御への編入ではない」として「有事の際に米国のミサイル防御資産が収集する北朝鮮の核・ミサイル基地に対する情報を共有し、打撃手段を支援されるという意味」と話した。

 ハン・ミング国防部長官はこの日、国会国防委員会国政監査でこれと関連した質問を受けて「具体的な答弁は制限されるが、韓米は北朝鮮の核・ミサイル威嚇に対するオーダーメード型抑制のために段階別対応を用意している」として「しかし具体的な作戦計画を樹立するというよりは、概念を実現する種々の手続きと方法などを作る」と説明した。

 ハン長官はまた、在韓米軍のサード(THAAD・高々度ミサイル防御)配置問題と関連して「北朝鮮の核・ミサイル威嚇に備える使用可能な手段は制限されているが、サードを配置すれば韓国の安保と国防にとって助けになる」とし、サードの韓国配置に反対しない意思を明らかにした。 彼は「サードは安保の観点から見ている」として「サードはとても防御範囲が広く、万一配置されるなら在韓米軍の資産だけでなく韓国の防御にも大きく寄与すると考える」と話した。 ハン長官は、在韓米軍にサードを配置したら維持費は韓国政府が負担することになるのかという質問に対して、「そうならないだろう」と明らかにした。

パク・ビョンス先任記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/politics/defense/658750.html 韓国語原文入力:2014/10/07 19:55
訳J.S(1861字)

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