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政府、米 MD 核心装備‘サード(THAAD)’導入検討

登録:2013-10-15 22:18 修正:2013-10-16 15:14
"上・中-下層 二重迎撃体制構築"
米MD編入 現実化憂慮出てきて
中・露と軍事葛藤深化の指摘も
砲台1ヶに1兆ウォン 予算も負担
* サード:高・中高度迎撃体系

 国防部が米国ミサイル防御(MD)体系の核心装備であるサード(THAAD)の購買を検討していると見られる。 去る2日、韓-米安保協議会議(SCM)でチャック ヘーゲル米国国防部長官が 「韓-米のミサイル防御体系は相互運用性がなければならない」と話した後、米国ミサイル防御体系への編入が現実化するのではないかという憂慮が出ている。

 キム・ミンソク国防部スポークスマンは15日、定例ブリーフィングで「高度100km以内を下層防御という。 北韓核とミサイル威嚇に対する迎撃効果を高めるために、終末(落ちる)段階の下層(40km)防御で重複防御が可能にするため多様な方案を検討している」と話した。 彼はまた「パトリオット3(PAC-3)は主に高度15kmで迎撃するので精密迎撃が容易ではなく、失敗すれば国民に致命的な被害を与えかねない」として、終末段階でも上・中層と下層で2回迎撃できるシステムが必要だ」と明らかにした。

 この間、国防部と軍は米国ミサイル防御体系参加論議と関連して「韓国のミサイル防御(KAMD)体系は短距離ミサイルに対する高度40km以下の終末段階下層防御が目的なので、大陸間弾道ミサイル(ICBM)に対して上昇-中間-終末など3段階にかけて迎撃する米国のミサイル防御体系とは違う。 米国のミサイル防御体系に参加する必要はない」と話してきた。 しかし去る2日、韓-米安保協議会で戦時作戦統制権の返還時期を再検討することに合意した後、立場が変わったものと見られる。

 軍は現在、終末段階の新しい迎撃システムとして長距離地対空ミサイル(L-SAM)等の開発を推進している。 これと共に迎撃高度40~150kmであるサードを米国から導入する方案も検討していると見られる。 新迎撃システムの種類と関連して、キム スポークスマンは「サードは(対象に)入りうる。 高度が400~500kmを越えるSM-3は除外される」と比較的具体的に答えた。

 韓国のサード導入は戦作権還収にともなう兵器導入と関連して、米国の軍事的・経済的利害とも合致する。 ヘーゲル長官は去る2日、安保協議会議で「韓国のミサイル防御システムと米国のミサイル防御システムが全く同じである必要はない。 ただし相互運用性はなければならない」と話し、これに先立って9月28日には韓国の戦作権還収と関連して「ミサイル防御は明確にとても大きな部分」と強調した経緯がある。

 問題はサードが米国ミサイル防御システムの核心装備なので、これを導入するならば韓国は米国のミサイル防御体系とさらに高い水準で相互運用性を持つことになると予想される点だ。 特に北韓や中国、ロシアなどは、韓国が実質的に米国のミサイル防御体系に編入されたと判断しかねない。 このようになれば韓国と特別な軍事的緊張や葛藤のない中国・ロシアとも敵対する状況を作りかねない。 東アジアで米国のミサイル防御システムは一次的に中国を狙うものと評価されており、ロシアや北韓もその対象と見なされる。

 このような問題のために軍内部でも新たに二重迎撃システムを用意するにしても、隣国の憂慮を買いかねない米国製兵器の購買は慎重に検討しなければならないという意見が出ている。 特にサードは地上に1ヶの砲台を構築するだけで1兆ウォンかかる高額装備なので予算負担も侮れない。

キム・キュウォン記者 che@hani.co.kr

https://www.hani.co.kr/arti/politics/defense/607225.html 韓国語原文入力:2013/10/15 21:44
訳J.S(1614字)

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