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‘ホウキ連帯’ 16業者を交渉のテーブルに呼び座らせる

登録:2014-06-27 20:20 修正:2014-06-28 08:30
清掃・警備・施設管理労働者の生き方を変えた‘集団交渉’
個別事業場の労働条件向上のため
サービス業者・大学を説得して集団交渉

皆が一緒に一つになって戦って‘輝かしい’成果
‘最低賃金がすなわち賃金’という原則を打破し
3年間で賃金34.8%↑…昼食手当も現実化
参加事業場も4ヶ所→16ヶ所に4倍増
去る4月17日午後、ソウル仁徳(インドク)大学本館前で開かれた公共輸送労組ソウル京仁支部人徳大分会ストライキ30日闘争勝利決起大会で女性組合員がスローガンを叫んでいる。 リュ・ウジョン記者 wjryu@hani.co.kr

 ソウル地域の私立大学14校で仕事をする環境美化、警備、施設管理労働者が同じ時給と昼食手当、名節一時金を受け取れるようになった背景には集団交渉が位置している。

 集団交渉は色々な事業場の労働者代表が使用者代表らと向かい合って座り、賃金と団体協約について交渉することを称する。 このような方式の交渉をする最も大きな理由は、個別事業場単位より労働者の力を1つに集めやすく、すべての事業場の賃金や労働条件を同じ水準に合わせるためだ。 韓国内の労働界で、このような集団交渉を目的とする産別労組運動が広がってから20年余りになるが、一部を除いてほとんどが事業場単位労組が依然として個別使用者と交渉している。

 これら私立大学労組が加入した公共輸送労組ソウル京仁(キョンイン)支部が、サービス業者の代表を一つの交渉のテーブルに引き出すことを決心したのも‘散れば死ぬ’という単純な道理から出た。 ソウル京仁支部は2009年までは大学ごとにサービス業者と個別交渉をしていた。 当時はあまりにも解雇が乱発されていた状況なので、その問題の解決に集中せざるを得ず、他の懸案は省みる余裕がなかった。 ‘最低賃金がすなわち実賃金’だった賃金水準も、それに触れる余裕はなかった。 クォン・テフンソウル京仁支部組織部長は「一か所ずつバラバラに戦っていてはダメだという問題意識がこの時にできた」と話した。 2010年秋、初めての集団交渉を要求した時、サービス業者代表が示した反応は「労組に別の下心があるのではないか」ということだった。

 労組は集団交渉に出てこないサービス業者はもちろん、該当業者の元請けである大学本部側をなだめすかさなければならなかった。 座り込みと集会、ストライキは労組が使える武器だった。 今でも実際に交渉に入ってなされる交渉より、これら業者代表を交渉の場に呼び出す事の方が難しい。 キム・ユンス ソウル京仁支部組織次長は「集団交渉では交渉の場に出て来させることが(必要な労力全体の)半分で、その後の具体的な賃金団体協約争奪闘争は残りの半分」と話した。

 交渉が進めばサービス企業らは元請けの大学や一緒に交渉のテーブルに出てきた他大学の顔色を伺いなかなか合意しようとはしない。 そうする内に、どこかの大学で暫定合意の便りが出てくれば、その時に初めて流れに乗る。 今年は慶煕(キョンヒ)大が3月初めに最初のテープを切った。

 もちろんサービス企業らは集団交渉方式を敬遠しようとする。 あるサービス業者の関係者は「企業は集団交渉に行く時‘服役しに行く’と言う。 11月に労組から交渉要請公文書が来れば、業者代表は‘我々がなぜ入らなければならないのか’として不満がいっぱいだ。 応じなければ労組がストライキをすると言うと、やむを得ず交渉に出ざるを得なくなる」と話した。

ソウル京仁支部所属大学間接雇用労働者の交渉現況

 このような形でソウル市内の大学の環境美化、警備、施設管理労働者が成し遂げた成果はは驚くべきものだ。 2011年に4600ウォンだった時給は、3年で6200ウォンに上がった。 3年間の賃金上昇率が34.8%に達する。 4万余ウォンに過ぎなかった1ヶ月の昼食手当は9万ウォンに上がり、5万ウォン程度だった名節一時金は18万ウォンまで上がった。

 賃金だけでなく全般的な労働条件もやはりはっきり向上した。 以前はサービス業者はもちろん、大学側の不当な要求にもまともに抗議すらできず、黙って応じなければならなかったが、今は事情が変わった。 イ・スクヒ ソウル京仁支部弘益(ホンイク)大分会長は「労組がない時は学校理事長の自宅に行って皿洗いをするかと思えば、警備労働者が毎朝、背負子を背負って学校内の丘の上までゴミを運ばなければならなかった。今はそんなことは無くなった。」と話した。

 このようなうわさが大学社会を席巻し、一つの大学内の他職種の労働者だけでなく、他大学の労働者までが労組に加入する‘ドミノ’現象が現れた。 2011年には高麗(コリョ)大、高麗大安岩(アナム)病院、延世(ヨンセ)大、梨花(イファ)女子大など3大学4事業場が集団交渉の適用対象だったが、今年は14大学16事業場に拡大した。 梨花女子大で警備の仕事をするイ・クムテ(65)副分会長は「賃金も上がり、言いたいことも言って暮らせるようになるといううわさが立つと、加入する人々が多くなった」と話した。

 数年間、苦難の闘争を行ってきた大学の労働者が、今加入したばかりの労働者と同じ条件を適用されることに対する不満の声も一部から出ている。 だが、イ・スクヒ分会長は「仕事場は違っても、同じ仕事をしている以上、労働条件を一緒に上げていく方が気が楽だ」と話した。 キム・ギョンスン(67)延世大分会長は「私たちが先駆者の役割をすることで、他の労働者も労組を作り同じ条件を適用されれば、それで良いじゃないか」と強調した。

チョン・チョンフィ記者 symbio@hani.co.kr

https://www.hani.co.kr/arti/society/labor/644511.html 韓国語原文入力:2014/06/27 19:33
訳J.S(2468字)

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