セウォル号沈没事故にあった京畿道(キョンギド)安山(アンサン)檀園高父母たちが「失踪者救助と徹底した真相究明のために共に叫んで行動してほしい」と国民に訴えた。
‘セウォル号事故犠牲者・失踪者・生存者 家族対策委員会’(対策委)は、7日午後6時30分 安山市(アンサンシ)のワースタジアム(総合運動場)2階記者室で記者会見を開き、このような内容が入れられた要請文を発表した。
ユ・ギョングン(44)対策委スポークスマンは要請文を通じて「事故の責任は船会社にあるが、救助の責任と義務は政府にある。 しかし事故直後から今まで、政府の救助作業は遅延と混線ばかりだった。 それによって救助できた搭乗者の死を放置した。 ただ一人の失踪者流失も起こさずに全員が家族の元に戻れるようにしてほしい」と要求した。 彼は続けて「救助作業が2日以上遅れ、以後も消極的になされた部分に対して徹底した真相究明がなされなければならない。 検察の捜査が生ぬるかったり疑惑があると判断されれば、可能なすべての方法を動員して行動に突入する」と付け加えた。
特に対策委は生徒たちの携帯電話復旧を支援するという政府提案を拒否し、対策委が直接回収・復旧することにした。 対策委は検察・警察の携帯電話等に対する捜査内容の公開も共に要求した。 ユ スポークスマンは海洋警察が遺族の同意を得ずに携帯電話のメモリーカードを覗き見たという報道(<ハンギョレ> 7日付9面)と関連しても「具体的確認作業に入った」と話した。 対策委はこれと共に「すべての国民が‘安全な国’の建設のために共に叫び行動してほしい」と頼んだ。
安山/キム・イルウ記者 cooly@hani.co.kr
------------------------------------------------------
【全文】<セウォル号事故家族対策委>の訴え
<セウォル号事故家族対策委員会>の訴え
先ず、昨日(5月6日)行方不明者の救助作業中に亡くなられた故イ・グァンオク潜水士のご冥福をお祈りし、ご家族にも深い哀悼の意を伝えます。私達は故イ・グァンオク潜水士の崇高な犠牲を永遠に忘れません。そして、今も事故海域で、最善を尽くして救助作業をしておられる潜水士の方々の労苦にも深く感謝いたします。二度とこのような事故が起きないことを心から願います。
政府に要請します。
1. 政府は、行方不明者を早急に救助してください。
事故の責任は船会社にありますが、救助の責任と義務は政府にあります。しかし、事故直後から現在まで政府の救助作業は遅延と混乱ばかりでした。それによって、救助できたはずの搭乗者の死を放置したのであり、今では、まばらに引き上げられる遺体は身元を確認しがたいほどに痛んでいます。 私たち犠牲者・行方不明者・生存者の家族は、今からでも行方不明者の救助に実質的な最善を尽くす大韓民国政府を目にしたいのです。 ただ一人の行方不明者の流失もなく、全員が家族のもとに帰れるよう、可能なあらゆる措置を直ちに取ってくださることを強く要求します。
2. 政府は透明かつ徹底した真相調査をしてください。
現在、検察が船会社及び関係者たちを対象に、事故原因などに対する捜査を進めています。事故責任のある船会社及び関係者らに対する徹底した調査と処罰は当然です。
同時に、最も重要だった事故初期の救助作業が2日以上遅延され、以後の救助作業も消極的に行われたという部分についても、徹底した真相究明がなされなければなりません。これは、残っている子どもたちが同様な被害を受けない“安全な国”を作っていくために必ず必要な最初の過程です。
政府は検察の捜査内容を私たち<家族対策委>に公開してください。海洋警察または検察が回収した子供たちの携帯電話に対する捜査内容も公開してください。検察の捜査が不十分あるいは疑惑があると判断された場合、私たち犠牲者・行方不明者・生存者の家族たちは、可能なすべての方法を動員して徹底した真相究明のための行動に突入することを、ここに明らかにします。
国民の皆さんに訴えます。
セウォル号事故以来、ともに心を痛め、ともに泣いてくださった国民の皆さんに、心から感謝申し上げます。 国民の皆さんがともに悲しんでくださった理由は、このような事故が、いつ、どこでも、自分にも起こり得る問題だと思われたからでしょう。そしてこのような責任が、不正と腐敗を傍観し幇助してきた大人たちにあると感じるからでしょう。
よって、私たち<家族対策委>は次のように訴えます。
1. 速やかな行方不明者救助のために、ともに叫んでください。
珍島で寂しく血の涙を流しながら、海の底に閉じ込められている子供や家族を待っている行方不明者家族たちが願うのは、ただひとつ、私の子供、私の家族の、遺体だけでも返してもらうことです。しかし行方不明者数が減り、時間が経つにつれて、マスコミの関心も次第に減っています。たとえ生存可能性がほとんどなくても、遺体であっても、私の子どもであり私の家族です。葬儀でもちゃんと執り行なってやりたいのが、親の哀切な気持ちです。
国民の皆さん、さびしさに歯ぎしりし血の涙を流している行方不明者家族たちが、一層さびしい思いをすることのないように、最後の行方不明者が救助されるまで、最後まで一緒に叫んでください。
2. 透明かつ徹底した事故真相究明のために、ともに行動してください。
私たち<家族対策委>は心から、事故原因や無責任な事故収拾に対する検察の捜査が透明かつ徹底的に行われることを願います。しかし、検察の捜査が不十分あるいは疑惑があるという判断が立てば、遅滞なく可能なすべての方法を動員して直接、徹底した真相究明に乗り出す考えです。そのためには、今からでも国民の皆さんが、一緒に叫んで行動して提案もしてください。“私の子供が安全な国”、“ただ一人の国民に対しても最後まで責任を負う国”は、国民の皆さんの参加なしには作れないからです。
3. 私たちの目的は“安全な国”を作ることです。
私たちは事故以来、無責任で無能力な政府の対応について強く批判してきましたが、それは今後、同じ事故が繰り返されない安全な国をつくるためです。国民の皆さんがこうした私たちの意思を充分に酌んで、全ての犠牲者・行方不明者・生存者の家族および全ての国民がともに“安全な国”建設の目的を成し遂げられるよう支援して下さることをお願いします。
2014年5月7日
<セウォル号事故犠牲者/行方不明者/生存者家族対策委員会>