[旅客船沈没 大惨事] 12時間待った遺族たち…大統領はついに現れなかった
「私たちは示威をするために来たのではありません」数えきれない程叫んだけれど…
「この多くの人胸に刃物を刺した者が謝罪もなく辞任するとは…」
セウォル号惨事の遺族たちが子供の遺影を抱きしめて‘涙の行進’をした。 共に悲しみ痛みを感じなければならない人々が、あろうことか無責任な政府の肩を持つことが悔しいからだ。
去る8日夜10時10分頃、沈没事故で犠牲になった子供の遺影を胸に抱いてソウル汝矣島(ヨイド)の<韓国放送>(KBS)を抗議訪問した遺族たちは門前払いにあった。 キル・ファンヨン韓国放送社長の謝罪とキム・シゴン報道局長の罷免要求は受け入れられなかった。 路上で警察と4時間ほど対峙した遺族150人余りは結局、大統領府に向かって引き返した。 大統領に直接くやしい心情を訴えるためだった。 だが、遺族たちを迎えたのは警察の車壁だった。 車壁に遮られた遺族たちは9日午前3時50分頃から大統領府へ向かう交差点である鍾路区(チョンノグ)青雲(チョンウン)孝子洞(ヒョジャドン)住民センター前の路上に座り込んだ。 警察は13個中隊900人余りを動員し、一部の遺族たちはこのような警察の前にひざまずいて「道を開けてほしい」と哀願しもした。
遺族たちは「私たちは絶対に示威をするためにこの場所に来たのではありません」と数えきれない程叫んだ。 遺族たちはあまりにも物静かだった。 政治的な主張も出てこなかった。 あたかも‘純粋な遺族’ではない人々と思われることを警戒しているかのようだった。 ミン・ギョンウク大統領府報道官はこの日午前、記者たちと会った席で「純粋遺族の方々の要請を聴くのならば、誰かが立ち上がってその言葉を聴かなければならない」と話した。
ユ・ギョングン遺族対策委員会スポークスマンは「興奮して暴力的な姿を見せれば、あの人たちの望み通りになる」と遺族たちをなだめた。 ミン スポークスマンの発言を伝え聞いた遺族コ・ヨンファン(46)さんは「また、仲違いだ。 私たちは争いに来たのでもなく、謝罪を受けに来たのに待てという。海でも待てとばかり言ったのに…」として怒りを飲み込んだ。
面談要請に対する朴槿恵(パク・クネ)大統領の返事を待って夜を明かした遺族たちが、くたびれ果てる頃、ある遺族の娘が生前にしばしば歌っていたという歌‘ガチョウの夢’がスピーカーを通じて流れると皆が涙を流した。
遺族たちの痛ましい訴えと怒りを市民たちは無視しなかった。 水さしに氷水を満たして遺族に渡し、一部の市民たちは出勤途中に卵とおにぎり、鶏肉粥などを渡しもした。 西村(ソチョン)住民だと明らかにしたある男性は「この方々は本当に待つことに長けた方々であるようだ」として目がしらを赤らめた。
午前10時頃、安山にいたセウォル号生存者の両親50人余りが駆け付けた。 亡くなった子供の友達の両親に会った遺族たちは‘涙の拍手’を送って50人余を迎えた。 檀園高2年1組チャン・ヘジン(17)の父親だと自己紹介した50代の男性は「苦痛の中で毎日毎日過ごしている皆さんのためにあたふたと駆け付けた。 真相究明、責任者処罰の約束を受け取らなければならない」と話した。
長い待機の末にキル・ファンヨン社長が遺族の前に現れて頭を下げた。キル社長はこの日午後3時25分頃、現場を訪れ「KBSによって傷ついた遺族の皆さんに謝罪する」と話した。 しかし朴大統領はついに遺族たちを無視した。
しかし遺族たちは「もう皆疲れている。 私たちがここに来て示威をするわけでもなく話をしに来たのだが、ここらでただ(安山に)帰ろう。 一部まだ不十分だが私たちは争いに来たわけではないのだから」と精一杯慰めた。 遺族たちは16時間に及ぶ長い行進を終えて、この日午後3時50分頃に大統領府から引き返した。
大統領府はホッとしているムードだ。 大統領府関係者は「遺族たちが大統領府で来た理由が、結局は韓国放送問題のためであったし、その部分は謝罪と辞意表明などで解決された。 大統領との面談要求に対しても、首席2人が直接遺族たちの話を十分に聴いたので大統領府としては最善を尽くした」と話した。
安山/キム・キソン、キム・イルウ記者、キム・ジフン、ソク・ジンファン記者 player009＠hani.co.kr
訳J.S(2061字)
