大統領府出入り記者団が8日、ミン・ギョンウク大統領府報道官の‘オフレコ前提’発言を報道した<ハンギョレ>に‘大統領府春秋館(記者室)への出入り禁止28日(4週)間’の懲戒を決めた。 記者団はまた、ミン報道官の発言を報道した<オーマイニュース>と<京郷新聞>には出入り禁止63日(9週)間、<韓国日報>には出入り禁止18日(3週)間を決め、各報道機関に通知した。 懲戒を受けることになれば、該当報道機関の記者はその期間に大統領府が提供する報道資料など一切の資料を受け取れなくなる。
ミン報道官の‘オフレコ前提’発言は、先月21日の公式ブリーフィングが終わった後、一部記者たちと話を交わして「(ソ・ナムス教育部長官が)ラーメンに卵を入れて食べたのでもなく、煮て食べたわけでもない。うずくまるように座って食べたのだが、ひじ掛け椅子のために、またそれが写真に撮られて、国民感情上 問題になるからそういうことだ」と話した部分だ。 ソ長官がセウォル号沈没当日の16日、失踪者の家族たちが集まっている珍島体育館で応急治療がなされたテーブルで、医薬品を片づけてカップラーメンを食べて議論になった事件に関する質問に答える過程でされた話だ。
この発言が翌日になって記者たちに知らされ、‘ソ長官ラーメン事件’を最初に報道した<オーマイニュース>は記者団にオフレコ約束を守れないと通知した後、ミン報道官の発言を報道した。 以後、インターネットと社会関係網サービス(SNS)ではミン報道官の不適切な発言を批判する意見があっという間に拡散し、<ハンギョレ>と<京郷新聞>もこの日、ミン報道官の発言を報道した。 セウォル号惨事で国民全員が悲しみに陥っている状況で、大統領府報道官の発言が非常に不適切であり、すでに発言内容が広く知られた後なので‘オフレコ約束’はその意味を喪失したという判断に従ったものだ。
だが当時、大統領府出入り記者団は<ハンギョレ>などの報道が出た後にも論議の末に‘オフレコ約束’を維持することにした。 大統領府出入り記者団総括幹事は<ハンギョレ>等に懲戒結果を通知して‘オフレコ約束に違反したと判断した’と懲戒理由を説明した。
記者団による懲戒は、大統領府出入り記者の内、言論媒体別幹事が集まった懲戒委員会で決定される。 懲戒委員会には総括幹事の他に中央日刊紙および通信、放送会社、経済紙、インターネットメディア、英文ニュース、地域言論など計7人の代表幹事が参加して決める。 各幹事がどんな意見を出したのかなど懲戒決定過程は公開しない。 ただし、今回の懲戒では懲戒期間に関する異見はあったが、多数の意見に従い決定されたという。 特にオフレコ約束を最初に破棄した<オーマイニュース>の他に<京郷新聞>は過去にオフレコ約束を一回破棄したことがあるという理由で2ヶ月以上の重懲戒が決定されたと伝えられた。
<ハンギョレ>は9日、記者団に対して公式に再審要請を行う計画だ。 記者団がミン報道官の発言に対して‘オフレコ約束’を継続維持することにしたとしても、すでに事実が知らされ実質的に‘報道された事項’であることに加え、発言内容が大統領の警護上必要な‘包括的エンバーゴ’でもなく、国家安危や個人の安全問題につながる事案でもなく‘オフレコ約束’が継続維持されなければならない理由はないと見るためだ。 ナム・ジェイル慶北(キョンブク)大教授(新聞放送学)は「オフザレコード(オフレコ)は国益や公的な業務を処理する上で、マスコミの報道により問題が発生する可能性があると判断される時に要請するものだ。 ミン報道官の‘卵発言’は十分に公的意味を持つ発言としてオフレコをかけるほどの状況ではない」と話した。 ナム教授は続けて「大統領府記者団がこの問題に対して懲戒を下したことは、記者団の認識に相当な問題があると見られる。自分たちが持つ公的地位に対する省察が不足した行き過ぎた処分」と指摘した。
イ・ジョングク、ソク・ジンファン記者 jglee@hani.co.kr