チェ・ドンウク(54)検察総長の辞退が大統領府の緻密な事前シナリオにともなう結果という情況が続々と明らかになっている。 与党セヌリ党の重鎮議員でさえ国家情報院の大統領選挙世論操作および政治介入疑惑事件捜査の時、検察がウォン・セフン(62)前国家情報院長などに公職選挙法違反疑惑を適用し、大統領府がチェ総長を追い出そうとしたことを明らかにする発言をした。
検察関係者は15日 「8月中旬に<朝鮮日報>幹部が会おうと言うので会った。 彼が‘大統領府民政首席室の幹部であるK氏がチェ総長の女性問題についてすでに調査を終わらせており、9月の秋夕(チュソク)前にはチェ総長が飛ばされるだろう’という話をした。 ‘K氏と朝鮮日報の高位幹部が高等学校の先後輩関係で親しい間柄’という話もした」と伝えた。 特にこの検察関係者は「朝鮮日報幹部が9月に検察で検事長級人事があるだろうという話までしたので、いぶかしいと思った」と話した。
これは‘チェ総長の婚外子疑惑報道→総長辞退’というシナリオがすでに先月中旬から組まれていて、報道に使われた情報が大統領府民政首席室から出た可能性を裏付ける情況だ。 大統領府がチェ総長の婚外子疑惑を報道した<朝鮮日報>を引き込んで、今回の事態を作り出したのではないかということだ。
検察内外ではチェ総長の辞退を主導した人物として、先月初めに任命されたキム・ギチュン大統領秘書室長を挙げている。 検察関係者は「キム秘書室長が報道直前に朝鮮日報最高位職要人に会ったという話が出回っている。 いくら検察が管理できないと判断しても、総長をこのような形で追い出すことは誤りだ」と話した。
朝鮮日報の報道直前に大統領府周辺人士の間でチェ総長の辞退を既定事実化するような言及が出ていたことも疑惑をより一層深めている。 朝鮮日報の‘婚外子’に関連した初めての報道が出てくる2日前の去る4日、ソウル江南(カンナム)のK日本料理店で朴槿恵(パク・クネ)政府大統領職引継ぎ委員会関係者らと法曹人らが集まったが、同席した大統領府要人であるK氏が「チェ総長の女性問題調査を終え結果を民政首席室に渡した。 チェ総長は近い将来に辞退するだろう」という発言をしたと検察関係者が伝えた。
朝鮮日報の報道が出た翌日の去る7日頃から大統領府民政首席室と法務部が直接乗り出してチェ総長に監察を受けろと言い事実上辞退を勧めたことも、初めからチェ総長を追い出すことを決心していなくては考えにくい状況という指摘だ。 ある検察幹部は「真実を明らかにするとして訴訟まで出した検察総長に、法務部が乗り出して前例のない監察カードを取り出したのは、初めから総長を追い出す意図が明らかだったものと見える「と話した。
一方、ユ・ギジュン セヌリ党最高委員はこの日記者たちと会った席で‘一週間前から辞退を推奨したと言われているが’という質問に「おそらくもっと前からだろう。 それ以前からずっと話はしていたようだが(チェ総長が)持ちこたえていたのだろう」と話した。 彼は続けて「推測だが前から辞めろと言っていただろう。 それ以前にもサインがたくさん出ていた。 初めから(検察総長として)考慮しいていなかったが最後のカードになった。 常識的に考えれば(国家情報院)コメント事件を選挙法違反で起訴すれば、この政権誕生に対してクエスチョンマークを付与するに等しい」と話した。 与党重鎮議員さえチェ総長の辞退が検察の国家情報院コメント事件捜査結果と関連があると考えているという話だ。
キム・ジョンピル、ソンチェ・ギョンファ記者 fermata@hani.co.kr