北韓が8日、開城(ケソン)工業団地に入居している南側企業らに対し10日までに最小人員のみを残して撤収してほしいと‘最後通告’した。 北韓はまた、キム・ヤンゴン労働党対南担当秘書名義で談話を出し、開城工業団地の北韓労働者を全員撤収させ、工業団地の存廃可否を検討すると明らかにした。 10日は北韓が平壌(ピョンヤン)駐在各国公館に有事の際の撤収計画を提出してほしいと先立って要求した期限であるため、北韓の挑発が差し迫ったのではないかという分析を産んでいる。
開城工業団地入居企業のある代表は<ハンギョレ>記者と会って「北韓が去る4日、来る10日までに最小限の人員のみを残して全員撤収しろと通知したのに続き、今日(8日)再び10日までに工業団地から出て行くことを通知してきた。 もう出て行かざるを得ない境遇になった」と話した。 別の入居業者関係者も「北韓 開城工団管理委員会から‘滞留人員を1人だけ残して撤収しなさい’という通知がきた」と語った。
別の入居業者役員も 「開城工業団地管理委員会から滞留人員を半分に減らせと連絡してきた。 (一律的に) 1人というわけではなく、2人がいる所は1人に、10人いる所は5人、このような形で人員を減らせと言った」と伝えた。 これは北韓が‘連絡拠点’の役割をできる最小限の職員だけを残して入居企業が韓国に撤収しろと通知したものと解釈できる。 このようになれば開城工業団地は10日から全面的な稼動中断事態に入り込む可能性が高い。
こうした中でキム・ヤンゴン対南担当秘書はこの日午前、開城工業団地を見回した後に談話を出して「南朝鮮当局と軍部好戦者らが我々の尊厳を冒とくし、開城工業地区を同族対決と北侵戦争挑発の熱点にしようとしている条件下で、工業地区事業を暫定中断し、その存廃可否を検討するだろう。 開城工業地区で仕事をしてきた我が国の従業員を全員撤収する」として「以後の事態がどのようになるかは、全面的に南朝鮮当局の態度如何にかかっている」と明らかにした。 北韓の勤労者たちが全員撤収して韓国企業らも最小人員だけを残すことになれば、開城工業団地は完全稼動中断と同時に存廃の岐路に立たされることになる。
これに対し大統領府は朴槿恵(パク・クネ)大統領に状況を報告し、直ちに国家安保室次元の緊急会議を招集して北韓の意図把握に乗り出した。 ユン・チャンジュン大統領府報道官は「政府は北韓の意図を精密分析中」と明らかにした。 統一部は声明を出して北韓の措置に対して「遺憾と考える」として「北韓の無分別な行動に対しては落ち着いて且つ毅然として対処していく」と明らかにした。
韓半島の状況が緊迫した状態で動いている中、米国は今週に予定されていたジェームズ サーマン駐韓米軍司令官の上・下院軍事委聴聞会への出席を延期し、日本防衛省も北韓のミサイルが領空に進入する場合、これを迎撃するよう自衛隊に‘破壊措置命令’を発令した。
政府当局者は「キム・ヨンチョル北韓軍偵察総局長が7日(去る5日に続き再び)平壌(ピョンヤン)駐在外交団と武官団を呼んで米国と韓国が威嚇を加えており韓半島の状況が厳重だとするブリーフィングをしたことが把握された」と話した。
カン・テホ、イ・ジョンフン、ソク・ジンファン記者 kankan1@hani.co.kr