南北関係‘最後の砦’と呼ばれる開城工業団地が再び危険な状況に陥った。
北韓の中央特区開発指導総局は3日、南側の勤労者らが開城工業団地に入って来ることを禁止し、南への出京(帰還)だけを許容すると開城工業団地管理委員会に通知してきた。 北韓は先月30日、特区総局スポークスマン談話を通じて 「傀儡逆賊が開城工業地区がかろうじて維持されていることに対してたわごとを発しながら、我々の尊厳を少しでも傷つけようとするなら工業地区をきっぱり遮断・閉鎖してしまうことになるだろう」と警告した経緯がある。
北韓は4年前の2009年3月にもキーリゾルブ韓-米連合軍事演習を理由に3度にわたり開城工業団地の通行を遮断したことがある。 この他に2008年12月、2010年5月と11月にも通行を制限したり出入り人員を統制した。
キム・ヒョンソク統一部スポークスマンはブリーフィングで、北側総局が午前8~9時に前回談話どおり北の尊厳を傷つける南側の言論の報道と発言などを挙論して入京を遮断する方針を伝達してきたと明らかにした。 統一部はスポークスマン声明を通じて、北韓のこのような一方的措置が 「開城工業団地の安定的運営に深刻な障害をもたらしている」として強い遺憾を表明し、即刻正常化を促した。
キム スポークスマンは「政府は我が国民の身辺安全を最優先にして対処していく」としつつ「入居企業と協議して今後の立場を検討していく」と強調した。 現在、開城工業団地には我が国民861人が滞在中だ。 政府は身辺安全を考慮して入居企業らに滞留人員の全員帰還を勧告する問題も検討しているが、ともすれば工業団地の閉鎖を自ら招来しかねないという点で慎重な対応に重きを置いているとのことだ。
キム・クァンジン国防部長官は、ソウル汝矣島(ヨイド)のセヌリ党党舎で開かれた‘北核安保戦略特別委員会’会議に参加して「国防部は国民の身辺安全を最優先に考慮しており、もしもの事態が起きれば軍事措置とともに万全の対策を用意している」と話したと、ウォン・ユチョル特別委員長が伝えた。
北韓の入境禁止措置により午前に開城工業団地に入ろうとしていた南側人員484人は引き返さなければならなかった。 工業団地から帰還したノ・ユンギョン(44)氏は「以前、天安(チョナン)艦の時にも体験した人々が多く、普段と大きく変わらない」としつつも「明日再び入らなければならないが、在庫物量に支障があるか心配だ」と話した。
1990年代から南北経済協力に従事してきたキム・ハンシン(株)ハンシン代表は 「一言で言って千両の借金を返すと言ったが、最近の開城工業団地と関連した南側の一部報道機関と一部の人々の発言を見れば、火が出たのに油を注いでいるようだ」として「それによる被害は韓国企業と国民に戻ってきている」と話した。
これに先立って開城工業団地入居企業の集いである社団法人開城工業団地企業協会(会長ハン・ジェクォン)は北側の談話が出てきた後の31日、南北共に「開城工業地区の発展と南北関係発展のために消耗的な政治的論争は自制してほしい」と促した。
カン・テホ記者、坡州/キム・ギョンウク記者 kankan1@hani.co.kr