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　去る29日、北韓の平壌(ピョンヤン)にある金日成広場で開かれた大規模群衆集会で参加者たちが‘傀儡逆賊一味を打ち破り殺せ’などの字句が書かれた立て札を持ち、一斉にスローガンを叫んでいる。 APニューシス

　3月を通じて最高水準の強硬発言と軍事的威嚇で打ち合った南北関係の飛び火が、今度は開城(ケソン)工業団地に飛んでいる。 北韓最大の名節である金日成主席の誕生日(4・15いわゆる‘太陽節’)がある4月には、このような超敵対的な雰囲気がいくらか緩和されるのではという期待に関心が向かっている。

　31日、開城工業団地入居企業らの集いである開城工業団地企業協会(会長ハン・ジェクォン)は緊急記者懇談会を開いて「開城工業団地と南北関係の発展のために消耗的な政治論争は自制してほしい。 開城工業団地が閉鎖されれば、工業団地内の123ヶの韓国企業と数多くの協力企業らが被害をこうむり1万5千人ほどの失業者が発生する」と訴えた。

　このような入居企業の憂慮は、30日に北韓中央特区開発指導総局スポークスマンが談話を発表し「我々の尊厳を些かなりとも傷つけようとするならば(開城)工業地区をびしびし遮断・閉鎖してしまうことになるだろう」と明らかにしたのに伴うものだ。 この日、北韓は再び‘政府・政党・団体特別声明’を出し 「今この時刻から南北関係は戦時状況に入る」と宣言もした。

　南北間の軍事的緊張は侮れないが、南北関係が開城工業団地を閉鎖する状況には簡単に移るとは見えない。 開城工業団地の閉鎖は、南北双方に途方もない損失になるためだ。 韓国は123ヶの中小企業が月間100～150ドルの超低賃金で5万人余りの北韓労働者を雇用する特典を享受している。 開城工業団地が閉鎖されれば、2012年基準で4億6950万ドル(5164億ウォン)の経済的被害を受けることになる。 現在、開城工業団地が99%以上を占めている南北間交易も完全に中断される。

　27日、完全に断絶した政府間通信線を開城工業団地管理委員会の民間通信線が代行したことに見られるように、開城工業団地は南北関係の最後の砦でもある。 特に開城に入居した南北協力公団は、西部戦線での軍事的衝突の可能性に対しても強力に抑制する効果もある。 このような点を考慮したためか、政府は北韓の開城工業団地閉鎖警告に対して「開城工業団地を安定的に維持するという立場には変わりがない」と慎重に話した。

　北韓としても開城工業団地の利益は大きい。 開城工業団地では5万人の北韓労働者が雇用され、年間8千万ドル(880億ウォン)の賃金を受け取っている。 去る2月韓国政府が開城工業団地に搬出される物品の点検を強化すると明らかにしたことに対して敏感に反応したのも、北韓での開城工業団地の重要性を示している。

　3月を通して緊張と衝突を起こした南北関係は、4月に入っていくらか落ち着く可能性がある。 好材料としては4月15日が北韓最大の名節である金日成主席の誕生日という点だ。 北韓はこの日を控えて最高人民会議や朝鮮労働党代表者会などを開きもした。 また、韓国でも現在以上の葛藤は管理しようとする可能性が高い。 北韓の相次ぐ超強硬発言にも、朴槿恵(パク・クネ)大統領や交流協力の責任者であるリュ・キルジェ統一長官が慎重な態度を見せたのもこのような脈絡と見える。 30日北韓の‘戦時状況’宣言に国防部が比較的穏健な立場を出したことも肯定的だ。

　しかし南北関係の悪材料は依然として残っている。 米軍は韓国の要請により来週中にB-52,核推進潜水艦、B-2に続くまた別の先端兵器を動員して武力示威を行うと発表している。 この武力示威の根拠となる韓-米連合トクスリ(鷲)訓練も4月末まで続く予定だ。 また、30日キム・クァンジン国防長官はセヌリ党ワークショップで「北韓が挑発すれば、米国本土の戦力まで動員し一挙に制圧するだろう」と再び強硬発言をしたことも北韓を刺激する可能性がある。

キム・キュウォン記者 che＠hani.co.kr