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[社説]チョ・グク元長官、一審で懲役2年…韓国社会はどれほど「公正」になったのか

登録:2023-02-04 06:38 修正:2023-02-17 08:24
3日午後、子どもの入試不正疑惑とユ・ジェス元釜山市経済副市長に対する監察もみ消しなどの疑いで裁判を受けたチョ・グク元法務部長官が一審で懲役2年を言い渡された後、ソウル瑞草区のソウル中央地方裁判所を出て記者たちの質問に答えている=キム・ヘユン記者//ハンギョレ新聞社

 3日、入試不正および監察もみ消しなどの疑いで起訴されたチョ・グク元法務部長官に懲役2年の実刑が言い渡された。2019年12月に起訴されてから3年あまりかかって下された一審判決だ。裁判所は証拠隠滅および逃走の恐れがないとみて、法廷拘束はしなかった。いわゆる「チョ・グク事態」で韓国社会は大きな渦に巻き込まれ、世論が二つに分かれる深刻な対立を体験した。これから上級審裁判が残っているが、今回の判決が与える意味を重く受け止めざるを得ない。

 ソウル中央地裁は同日、チョ元長官が息子と娘の入試過程で、虚偽のソウル大学公益人権法センターのインターンシップ活動証明書や公州大学生命工学研究所長名義の体験活動確認書、東洋大学総長名義の表彰状などを提出したことが業務妨害に当たると判断した。入試と直接関係があるわけではないが、息子のソウル大学インターンシップ活動予定証明書を虚偽の内容で提出し、在学中の高校の出欠管理業務を妨害した容疑について有罪が認められた。息子が留学中だった米国大学のオンライン試験の不正行為にも業務妨害罪が適用された。教育や入試と関連し、一点の偽りと便法も容認しないという厳格な法の基準を確認したわけだ。他のどの分野よりも公正の価値が守られるべき教育問題で、知識人の言動が一致しなかったのが多くの人々が虚しさと怒りを覚えた理由だった。

 あれほど激しい論争を巻き起こした「チョ・グク事態」が喚起したのは、結局公正の価値だった。しかし、その後、韓国社会にその価値が堅固に定着したかどうかについては、誰もそうだとは言い切れないだろう。現政権に入っても長官候補者の「親の七光り」疑惑は絶えなかった。チョン・ホヨン保健福祉部長官候補者は、子どもの入試不正疑惑などで結局候補取り消しに追い込まれた。しかし、その後行われた警察捜査で、子どもの慶北大学医科大学編入をめぐる特恵疑惑は嫌疑なしの決定が下された。チョ元長官事件捜査を指揮したハン・ドンフン法務部長官も聴聞会で子どもの論文代筆・盗作などでスペック(資格や活動経歴など入試や就職で有利になる要素)を積み上げた疑惑が多数持ち上がったが、説得力のある釈明もなくうやむやに終わった。「ダブルスタンダード」という言葉を思い出さざるを得ない。

 入試不正の他に、チョ元長官は民情首席としてユ・ジェス元釜山市経済副市長に対する監察を揉み消した容疑でも有罪が認められた。娘が医学専門大学院から受け取った奨学金は不正請託禁止法違反だが、収賄ではないと判断された。証拠偽造教唆や証拠隠滅教唆、公職者倫理法違反などの容疑については無罪が言い渡された。当初「権力型不正」のフレームの根拠だったプライベートファンド(私募ファンド)疑惑については起訴さえされなかったことを考えると、検察の標的・過剰捜査に関する指摘には依然として振り返らなければならない点がある。

(お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/opinion/editorial/1078230.html韓国語原文入力:2023-02-03 18:48
訳H.J

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