ハン・ドンフン法務部長官候補者の子どもが海外の大学への進学に必要な経歴や資格を手に入れるため、「家族チャンス」(家族の地位やコネなどで機会を手に入れること)を活用したと疑われる情況が相次いで明らかになっている。平凡な国民としては想像もできない方法だ。「利害の衝突」の有無なども確かめてみなければならないが、ハン氏が高位公職者として国民と同じ目線に立っているか、深刻に疑わざるを得ない。
本紙の4日付の報道によると、国内の有名国際学校に通うハン氏の長女は昨年11月、米国のある地域メディアとのインタビューで、自身が福祉施設のオンライン授業に必要なノートパソコンの寄付を要請するEメールを企業側に送り、ある企業から中古ノートパソコン50台以上の寄贈を受けたと話した。「最もやりがいがあったこと」とも語った。ところが、取材の結果、ノートパソコン寄贈の過程でハン候補者の配偶者の知人である同企業の法務担当役員が主導的な役割を果たしたという事実が確認された。
本紙はまた、ハン氏の娘が昨年、祖母所有の建物で自身の通う留学専門美術塾の生徒たちとともに「差別禁止」をテーマにした展示会を開いたと報道した。ハン氏の配偶者はこの展示会の企画案を塾側に送り、保護者たちが集めた展示会後援金を福祉施設に渡したという。ハン氏の娘はわずか2カ月でそれぞれ異なるテーマの論文5本をジャーナルに発表し、1年間で英語の電子書籍10冊を出版した。米国の主要大学に入るのに必要な経歴を手に入れるため、家族全員の人脈と能力が総動員されたと疑われるような状況だ。
ハン氏側は同日、自身の子どもがこのようなボランティア活動を着実に行ってきたという趣旨で釈明し、本紙の報道が「悪意的な虚偽報道」だと主張した。青少年のボランティア活動は推奨すべきことだ。経歴作りという目的も、今日の世相を考えると、大きな過ちとは言えない。しかし、いわゆる「チョ・グク事態」で見たように、この過程に親の人脈が介入すれば韓国社会では深刻な公正性の問題にならざるを得ないことは、チョ・グク一家捜査を率いたハン氏が誰よりもよく知っているはずだ。
ハン氏の娘をインタビューした米国メディア2社のうち1社は、本紙の報道以後、該当記事をインターネットサイトから削除した。だからといって「彼らだけのリーグ」に気づいた国民の虚脱感まで消えるわけではないだろう。尹錫悦(ユン・ソクヨル)政権は公正と常識を掲げてきた。今、ハン氏がすべきことは、国民が納得できるようきちんと説明することだ。