韓国検察が2日、子どもの入試不正と監察もみ消しなどの疑いで起訴されたチョ・グク元法務部長官に懲役5年と罰金1200万ウォン(約125万円)、追徴金600万ウォン(約62万円)を求刑した。
検察は同日午後、ソウル中央地裁刑事合議21-1部(マ・ソンヨン、キム・ジョンゴン、チャン・ヨンボム部長判事)の審理で開かれたチョ元長官の結審公判で、このような刑を言い渡すよう裁判所に要請した。チョ元長官の娘に奨学金を与え、賄賂供与の疑いで共に起訴されたノ・ファンジュン釜山医療院長には懲役6カ月を求刑した。
検察は「裁判が終わる時点にも被告が明白な事実さえ認めず残念だ。被告らは証拠を無視して反省をしていないが、裁判を通じて真実は何か、常識に合う判断は何かが明らかになると信じている」とし、「法治主義は奥底の知れない理論ではなく、過ちを犯せば誰でも処罰されるという平凡で当たり前の常識が実現しなければ成り立たない。常識が守られるようにしてほしい」と話した。
チョ元長官は最終陳述で「法務部長官候補に指名された後、検察とマスコミの無差別的な攻撃を受けた。毎日が生き地獄のようだった」としたうえで、「検察の超精密捜査は、起訴はもちろん娘の入学取り消しにつながった。家族のパソコンの中にある数千ページの文字メッセージが公開的な嘲弄の的になり、有罪の証拠になった。圧倒的な検察権の前で私は無力だった」と述べた。さらに「緩い基準を適用した点を反省し、多くの人の期待に応えられなかった点も反省する」とし、「検察は疑うのが役目だが、非難と被告の疎明をバランスよく判断するのが裁判所の使命」だと語った。
チョ元長官は息子と娘の入試不正疑惑(業務妨害、虚偽公文書作成・行使など)と娘の奨学金不正授受(収賄)などの疑惑で2019年12月裁判にかけられた。また、大統領府民情首席時代、当時のユ・ジェス元釜山市(プサンシ)経済副市長の監察をもみ消した疑い(職権乱用権利行使妨害)で、2020年1月に追加起訴された。
裁判所は容疑ごとに3回に分けてこの事件の結審公判を進めた。検察は先の裁判で、息子の入試不正容疑の共犯として起訴されたチョ元長官の配偶者、チョン・ギョンシム前東洋大学教授には懲役2年を求刑し、チョ元長官と共謀してユ元副市長に監察をもみ消した疑惑で共に起訴されたペク・ウォヌ元大統領府民情秘書官には懲役2年、パク・ヒョンチョル元大統領府反腐敗秘書官には懲役1年6カ月を求刑した。
一方、チョン前教授は娘の入試不正とプライベートファンドの投資関連容疑で起訴され、最高裁(大法院)で懲役4年が確定した。