日本政府は16日、国家安全保障戦略と防衛計画の大綱、中期防衛力整備計画の改定を決定する予定だ。有事の際に北朝鮮や中国などの周辺国のミサイル基地を直接攻撃できる「敵基地攻撃能力」(反撃能力)の保有や、防衛費の大幅増額、自衛隊再編などが主な内容だ。憲法自体の改正ではないが、戦後75年間維持された平和憲法と専守防衛の原則の方向が大きく変わるということで懸念される。
日本の連立与党の自民党と公明党が合意したことにより、今週の閣議で確定する安全保障3文書改定の核心は、北朝鮮と中国の軍事力強化に対応した反撃能力の確保だ。中国を「これまでにない最大の戦略的な挑戦」、北朝鮮を「重大かつ差し迫った脅威」と規定し、敵の基地を攻撃できる「反撃能力」の保有を戦後初めて明記することにした。また、防衛費を現在の国内総生産(GDP)の1%水準から5年後には2%に増額する一方、海上・航空自衛隊の戦力増強、台湾の有事事態(戦争)に備えた陸上自衛隊の作戦部隊の格上げなども予定しているという。
特に、敵基地攻撃能力を日本が直接攻撃を受けた場合だけでなく、米国が攻撃を受けた場合にも適用できると定めた事実が確認され、波紋が広がっている。例えば、朝鮮半島有事の際、米国の艦艇が東海(トンヘ)で北朝鮮の攻撃を受けた場合、「存立危機事態」と判断し、米国が望めば日本の自衛隊が「集団的自衛権」により北朝鮮に反撃しうるということだ。米国と日本の判断と日本の武力行使によって、朝鮮半島の平和が一瞬にして壊れたり、自衛隊が朝鮮半島の状況に介入することが起きうるということだ。
日本政府は、国際秩序と安全保障の状況変化に対応する措置だとする立場だが、日本の侵略と植民地支配を経験した韓国としては、懸念せざるをえない変化だ。日本は過去の歴史に対する真の反省なしに、2010年代に入ってから安全保障法制の導入などにより、戦争放棄を明記した平和憲法第9条を事実上無力化しようとする試みを絶えず繰り広げてきた。日本国内でも、今回の安保3文書の改定によって防衛費が急増し、国民の生活が困難になり、平和憲法の原則も揺らぐという反発が出ている。
日本政府は国内の反発と韓国などの隣国の懸念に耳を傾けなければならない。韓国政府は懸念を継続してはっきりと伝え、朝鮮半島の安全保障状況を米国と日本が一方的に決めないよう、米国および日本と意思疎通していく必要がある。