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[社説]朝鮮半島対峙、韓米日協力一辺倒で出口が見つかるのか

登録:2022-10-07 05:00 修正:2022-10-07 07:51
尹錫悦大統領と日本の岸田文雄首相が9月21日、米ニューヨークのある会場での略式会談前にあいさつを交わしている=ニューヨーク/聯合ニュース

 北朝鮮が6日に短距離弾道ミサイルをまたしても発射した。同日、東海では米空母が参加した韓米日共同訓練が再び実施され、尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領と日本の岸田文雄首相は電話会談を行い、北朝鮮に厳正に対応できるよう韓日が協力していくことで意見が一致した。この日、北朝鮮の戦闘機と爆撃機12機が韓国軍の設定した特別監視線を越えて示威的性格の編隊飛行を行い、韓国軍の戦闘機30機が出撃してもいる。朝鮮半島の状況は出口の見えない対峙の悪循環に陥っている。

 北朝鮮が6日午前に東海上に発射した2発の弾道ミサイルにより、この12日間でミサイル発射は6回目となった。韓米日は同日、東海の公海上で北朝鮮の弾道ミサイルに対応するミサイル防衛訓練を実施した。先月30日に3国が東海公海上では初となる共同対潜水艦訓練を行ってからわずか6日だ。朝鮮半島海域を離れていた米空母ロナルド・レーガンは5日夜に東海に戻り、同訓練に参加した。北朝鮮外務省は米空母が戻ってきたことを非難する公報文を発表したが、これは同日のミサイル発射が韓米日共同訓練に対する武力示威であるというシグナルを送ることで、核実験などの「より強い」軍事行動のための大義名分を作ろうとしているものとみられる。

 韓国の対応は、韓米日の軍事協力の強化以外には見えない。尹大統領は北朝鮮の発射について「強力な韓米同盟と韓米日安保協力をもとに、国民の命と安全を徹底的に守る」と述べた。大統領室によると、尹大統領と岸田首相はこの日の25分間の電話会談で、「挑発には代価が伴うというメッセージを北朝鮮に正確に伝える」ため、「韓米日の3国間の安保協力はもちろん、安保理を含む国際社会と固く連帯していくことにした」という。

 韓日関係は改善されなければならない。しかし、強制動員被害などの懸案に対して日本が「韓国が解決策を提示すべき」という態度を変えていないにもかかわらず、北朝鮮のミサイル・核問題に対応する軍事協力ばかり急げば、主要懸案を解決すべき韓国の外交交渉力は弱まらざるをえない。前政権とは異なり韓日関係を改善したという成果を示したいとの焦りからアプローチしてはならない。北朝鮮の挑発に対応する安保態勢の強化は必要だが、3国の戦略的利害の違いも考慮しなければならない。韓米日の軍事密着が強化されればされるほど、偶発的な衝突をはじめとする危機に対する懸念は高まるだろう。今のような韓米日対朝中ロの対決構図の固定化は、韓国の安保を圧迫する重い負担にならざるを得ない。

(お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/opinion/editorial/1061720.html韓国語原文入力:2022-10-06 20:16
訳D.K

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