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日本と戦略目標違うのに…尹大統領、繰り返し「韓米日、安全保障で協力」強調

登録:2022-10-07 06:07 修正:2022-10-24 06:46
韓日、北朝鮮のミサイルへの対応を口実に密着
尹錫悦大統領が6日午後、ソウルの龍山大統領室庁舎で日本の岸田文雄首相と電話会談を行っている=大統領室提供//ハンギョレ新聞社

 尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領と日本の岸田文雄首相は6日、北朝鮮の弾道ミサイル発射をきっかけに電話会談を行い、「北朝鮮は無謀な挑発を止めなければならない。挑発には対価が伴うというメッセージを北朝鮮に正確に伝える」ということで意見が一致した。両首脳は「そのためには、韓米日3者間の安全保障協力はもちろん、国連の安全保障理事会を含む国際社会と強く連帯していくことが重要だ」と明らかにした。尹大統領は、北朝鮮のミサイル発射が続く状況のもと、韓米同盟とともに韓米日3国の安全保障協力を繰り返し強調している。

 尹大統領と岸田首相はこの日午後5時35分から25分間電話会談を行い、このような意見を交わしたと大統領室が明らかにした。大統領室のイ・ジェミョン副報道官は「両首脳は、北朝鮮の弾道ミサイル発射について、朝鮮半島はもちろん北東アジアと国際社会の平和と安全を脅かす深刻かつ重大な挑発行為として強く糾弾し、北朝鮮に対して厳正に対応できるよう、韓日両国が協力していくことで意見が一致した」と伝えた。

 両首脳はこの日の電話会談で「韓日両国は国際社会の様々な懸案について協力するパートナーだということに共感した」とした。また、先月の国連総会をきっかけに行われた会談を含め、両国関係に肯定的な流れがあることを評価し、関係する外交的努力を続けていくことにしたと、イ副報道官が明らかにした。両首脳はまた、「安全保障問題を含む様々な懸案について、常に忌憚なく意思疎通していく」ことで認識が一致した。

 日本の外務省も資料を公開し、「日米韓安保協力を更に推進することで一致」したうえで、「両首脳は、国連安保理決議に従った北朝鮮の完全な非核化に向け、安保理における更なる対応等について、引き続き日韓、日韓米で緊密に連携していくことを確認」したと明らかにした。

 これに先立ち尹大統領は、この日早朝に北朝鮮のミサイル発射の報告を受けた後、龍山(ヨンサン)大統領室への出勤途中に「強力な韓米同盟と韓米日安全保障協力をもとに、国民の生命と安全を徹底的に守る」と述べ、3国の協力を強調した。大統領室の国家安全保障室も、緊急の「国家安全保障会議(NSC)常任委員会」の会議後、「韓米合同防衛態勢および韓米日安全保障協力をよりいっそう強化していくことにした」と明らかにした。日本の自衛隊が参加した韓米日合同演習は、先月30日に続きこの日も東海公海上で行われ、尹大統領はこの日、米国のジョン・アキリーノ・インド太平洋軍司令官と対面し、合同演習の重要性を強調した。

 しかし、朝鮮半島をめぐる韓米日の戦略的利害関係は異なるにもかかわらず、北朝鮮の脅威だけを強調し、日本との軍事協力問題に軽い気持ちでアプローチしているという指摘が出ている。国防部のプ・スンチャン元報道官はこの日、「文化放送」(MBC)のラジオインタビューで「日本は中国を考え、韓国は北朝鮮をみて、(安全保障戦略を)樹立する」とし、「合同演習を『単に北朝鮮核問題のために米国や日本が韓国を助けるもの』だという観点でアプローチすれば、失敗することになる」と述べた。日本との軍事協力強化には、前政権の韓日関係とは違うという点を強調しようとする尹錫悦政権の外交方針が反映されているとする分析もある。韓東大学のキム・ジュンヒョン教授(国際語文学部)は本紙に「韓日関係改善については誰もが同意するが、それが目的ではない」と述べた。

キム・ミナ記者、ペ・ジヒョン記者、東京/キム・ソヨン特派員 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/politics/politics_general/1061717.html韓国語原文入力:2022-10-07 02:48
訳M.S

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